屋久島 山小屋のし尿 約1年半降ろせず ヘリで搬出へ

鹿児島県にある世界自然遺産、屋久島で山小屋にあるトイレのし尿がおよそ1年半にわたって、ふもとに降ろせないままになっていることが町や業者への取材でわかりました。運搬用のトロッコの故障が原因で、来月(8月)にもヘリコプターで搬出作業が行われます。

屋久島のシンボルとして知られる縄文杉の近くにある、2つの山小屋のトイレは、屋久島町が管理し、町の委託を受けた清掃業者がし尿の回収を行っています。

回収には、運搬用のトロッコが使われますが、おととし12月ごろからトロッコの故障によってくみ上げたあとふもとに降ろせず、大量にたまったままになっていることが町や業者への取材でわかりました。

大型のバケツで合わせておよそ70個分で、悪臭のほかハエなど衛生上の問題も懸念されるということです。

このため、別の清掃業者がヘリコプターをチャーターして搬出すると町に申し出ていて、搬出は8月にも実施されます。

屋久島は平成5年に世界自然遺産に登録され登山客に人気ですが、町によりますと、し尿の搬出が滞りヘリコプターで運び出すのは初めてだということです。

搬出を申し出た清掃業者は「コロナ禍を経て登山客が再び増えている中で、屋久島の環境を守りたい」としています。