五ノ井里奈さん 法廷で倒れる 強制わいせつ事件の証人尋問中

陸上自衛隊の隊員だった女性に無理やりわいせつな行為をしたとして上司だった元隊員3人が強制わいせつの罪に問われている裁判が31日福島地方裁判所で開かれ、事件当時、同じ部屋にいた別の元上司の証人尋問が行われました。法廷では、証人尋問の途中で被害者の女性が突然倒れて救急車で搬送され、裁判が一時中断されました。

2021年8月、北海道にある陸上自衛隊の演習場で、隊員だった五ノ井里奈さん(23)を押し倒し、服の上から体を触ったなどとしていずれも元上司で、陸上自衛隊郡山駐屯地の部隊に所属していた元3等陸曹、渋谷修太郎被告(30)と関根亮斗被告(29)、それに木目沢佑輔被告(29)の3人が強制わいせつの罪に問われています。

31日、福島地方裁判所で開かれた裁判では事件当時、同じ部屋にいた別の元上司の男性に対する証人尋問が行われ、検察の質問に対して「渋谷被告と関根被告が五ノ井さんに格闘技の技をかけているのを目撃したが、下半身は触れていなかった。木目沢被告については記憶がない」などと証言しました。

そのうえで、「渋谷被告には『やりすぎ』だと注意をしたものの、自分も周りと一緒に笑い止めることができなかった」などと話しました。

この男性の証言中だった午後2時20分ごろ、法廷で被害者の席に座っていた五ノ井さんが、突然、崩れ落ちるように床に倒れ込み、救急車で搬送されました。

その際、五ノ井さんのもとに駆けつけて名前を呼びかける人もいて廷内は騒然となり、裁判は一時、中断されましたが、およそ1時間後の午後3時半に再開されました。

五ノ井さんの弁護士によりますと、五ノ井さんの体調はその後、回復したということです。