掘削現場の蒸気 高濃度ヒ素含む水約1万リットル 敷地外流出

北海道蘭越町の掘削現場から蒸気が噴出し、高い濃度のヒ素が検出された問題で、蒸気に由来する高濃度のヒ素を含む水、およそ1万リットルが敷地の外に流出していたことが分かりました。

蘭越町湯里にある地熱発電に向けた調査の掘削現場から蒸気が噴出している問題では、現場で採取された水から高濃度のヒ素が検出されています。

掘削をしていた三井石油開発がこの水を別の敷地の井戸へ移す作業を続けていますが、会社は7月28日の深夜に敷地の池から水が一時あふれ、およそ1万リットルが敷地外の道有林に流出したことを30日、明らかにしました。

会社は、流出した量は1日に出る蒸気に由来する水のおよそ200分の1にあたると説明していて、農業用水が取水されている3つの観測地点ではヒ素の濃度は基準を下回っているということです。

会社によりますと、水を移すためのパイプラインのバルブが本来は開いているはずでしたが、閉まっていたということです。

蒸気由来の水は7月20日にも流出していて、三井石油開発は「バルブが閉まっていた原因の解明を急ぐとともに、現場での作業に一段と注意を払いたい」としています。