「未利用魚」などの水産物を商品化 取り組み広がる

「未利用魚」と呼ばれる市場に出回ることが少ない魚や、廃棄される水産物を商品化する取り組みが企業の間で広がっています。漁獲量の減少で苦しむ漁業者の支援にもつなげるねらいがあります。

ポイントサービス、「Tポイント」の運営会社は、愛媛県八幡浜市や千葉県船橋市の漁業者と連携し、未利用魚のアイゴやコノシロをオイル漬けや煮つけにして商品化しました。

これらの魚は鮮度が落ちやすく、骨も多いことから、食用には向かないとされていましたが、みかんの皮で臭みを抑えたり、骨ごと食べられるまで柔らかく煮たりする工夫をしています。

発表会で、八幡浜市の漁業関係者は「水揚げ額が減り、廃業する船が増えていて、この状況を何とかしたい。持続可能な漁業を推進していきたい」と話していました。

また、食品宅配大手の「オイシックス・ラ・大地」は、廃棄されることの多い穴があいたわかめを活用し、スナック菓子を商品化しました。

わかめを細かくカットして混ぜ込むことで、風味を生かしています。

国内の漁業や養殖業による水産物の生産量は、去年はおよそ40年前の3割にとどまり、漁業の就業者も年々減少しています。

国内の水産物は、地球温暖化なども影響してさらに減少する懸念もあり、限りある水産資源を工夫によって活用する取り組みがさらに広がることが期待されています。