握手拒否で失格のウクライナ選手 特例でパリ五輪出場枠 IOC

パリオリンピックの予選を兼ねたフェンシングの世界選手権で、ロシア出身の選手と対戦したウクライナの選手が試合後の握手を拒否し失格となった問題で、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長はウクライナの選手に書簡を送り、選手が今後、パリ大会の出場権を逃した場合、特例として出場枠を追加で割り当てることを伝えました。

フェンシングの世界選手権は来年のパリオリンピックの予選を兼ねて、7月下旬からイタリアのミラノで行われています。

7月27日に行われた女子サーブル個人の1回戦でウクライナのオリガ・ハルラン選手がロシア出身の選手と対戦し、勝利したものの、試合後の握手を拒否しました。

国際フェンシング連盟は競技規則で、試合後に選手どうしが互いに敬意を払い握手することを定めていて、ハルラン選手は失格となりました。

この問題についてウクライナのフトツァイト青年スポーツ相は28日、IOCのバッハ会長からハルラン選手に宛てた署名入りの書簡が届いたことを自身のSNSで明かしました。

それによりますと、バッハ会長は「あなたがこの信じられないほど困難な状況に対処しているのは立派なことで、全面的な支援を表明したい。特別な状況を考慮して、ハルラン選手が今後の予選でパリオリンピックの出場権を得られなかった場合、出場枠を追加で割り当てる」としています。

一方、国際フェンシング連盟は28日、ハルラン選手への処分を見合わせて、29日から始まる女子サーブル団体への出場を認めることを発表しました。