ロシア アフリカ各国の取り込み図る 農産物の無償提供を強調

ロシアとアフリカ各国の首脳会議が2日間にわたって開かれ、プーチン大統領はロシア産の農産物を無償で提供する用意があると繰り返し、アフリカ各国の取り込みを図りました。一方、AU=アフリカ連合の議長はプーチン大統領に対して、ウクライナ側と停戦に向けた交渉を行うよう改めて求めました。

ロシアとアフリカ各国との首脳会議は28日までの2日間にわたって、ロシア西部サンクトペテルブルクで開かれ、会議のあとプーチン大統領とAU=アフリカ連合の議長国、コモロのアザリ大統領が共同で会議を総括しました。

この中でプーチン大統領は「ロシアはアフリカの友人たちに穀物を有償でも無償でも供給していく」と述べ、ロシア産の農産物を無償で提供する用意があることを重ねて強調しました。

ロシアが今月、ウクライナ産の農産物輸出をめぐる合意の履行を停止し、世界的な食料危機への懸念が高まる中、プーチン大統領は27日の演説でも、アフリカの6か国に対して農産物を無償で提供する用意があることを表明しました。

プーチン大統領は会議の合間を縫って個別の首脳会談も重ね、欧米に対抗するため、アフリカ各国の取り込みを図った形です。

一方、アザリ大統領は「穀物の提供は重要だが、十分ではないかもしれない。停戦を実現する必要がある」と述べ、プーチン大統領に対して、ウクライナ側と停戦に向けた交渉を行うよう改めて求めました。

首脳会議では南アフリカのラマポーザ大統領も、「建設的な関与と交渉で紛争に終止符が打たれることを望む」と訴えるなど、アフリカ側の首脳から停戦を求める声が相次いだのに対して、プーチン大統領は「ウクライナ側が交渉を拒否している」と主張し、立場の違いも浮き彫りになりました。