ウクライナ人捕虜収容施設攻撃から1年 生存者が真相究明訴え

ウクライナ東部のロシア側の支配地域にあった捕虜の収容施設が去年、攻撃され、ウクライナ人の捕虜に多数の死者が出ました。29日で1年になるのを前に、当時、施設に収容されていた兵士がNHKの取材に応じ、ウクライナによる砲撃だとするロシア側の主張を否定し、真相究明を訴えました。

ウクライナでは去年7月、ロシア側が支配する東部ドネツク州のオレニウカで捕虜の収容施設が攻撃を受け、ウクライナ人の捕虜50人以上が死亡したとされ、ウクライナとロシアの双方が相手側の攻撃によるものだと主張しています。

当時、施設に収容されていた元捕虜の兵士が、攻撃から29日で1年になるのを前に、首都キーウでNHKの取材に応じました。

兵士は攻撃のあとに施設から脱出し、去年9月、捕虜の交換でウクライナ側に戻ることができたということです。

兵士は攻撃について、「施設の中に仕掛けられた爆発物によるものだと思う。施設の床には砲弾が着弾する際にできるはずの穴が確認できなかったからだ」と述べ、ウクライナ側による砲撃だったとするロシア側の主張を否定し、真相究明を訴えました。

また、兵士はPTSD=心的外傷後ストレス障害の症状があるということで、「街を歩いている時にすれ違う人が戦死した仲間に見えることがある」と話していました。

ウクライナのメディアは28日、検察当局などが、収容施設で死亡した人のうち33人の身元を確認したと伝えています。