長崎市長 平和宣言でG7広島サミット評価も核抑止前提を批判へ

長崎市の鈴木市長は、8月9日の長崎原爆の日に平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表しました。宣言では背中に大やけどを負いながら核兵器廃絶を訴え続けた被爆者やG7広島サミットに触れ、「核兵器をなくすしかない」という認識を喚起する訴えを行うとしています。

長崎市の鈴木史朗市長は28日の記者会見で、8月9日の長崎原爆の日に平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表しました。

宣言では、原爆で背中に大やけどを負いながら6年前に88歳で亡くなるまで核兵器廃絶を訴え続けた谷口稜曄さんのエピソードを通じて被爆の惨状を伝えるとしています。

そのうえで、G7広島サミットにも触れ、核戦争をしない意思が再確認されたことを評価する一方、核抑止を前提とした考えが示されたことを批判する内容になるということです。

そして「核兵器をなくすしかない」という認識を喚起する訴えを行うとしています。

また、日本政府に対しては、核兵器禁止条約に署名・批准することや、北東アジアの緊張緩和と軍縮に向けた外交努力を行うことなどを求めることにしています。

今回の平和宣言は鈴木市長がことし4月に就任してから初めてとなるもので、鈴木市長は会見で「『長崎を最後の被爆地に』という思いを強く発信したい」と述べました。