ことしのサンマ漁獲量 過去最低の去年と同程度の見通し

深刻な不漁が続くサンマのことしの漁獲量は、過去最低だった去年と同じ程度の低い水準にとどまる見通しです。

国の研究機関「水産研究・教育機構」は、本格的に漁が行われる来月から12月までの時期に、北海道や千葉県沖にかけて来遊するサンマの量や大きさの見通しを公表しました。

それによりますと、来遊するサンマの量は94万トンと、去年と同じ程度の低い水準にとどまるうえ、日本近海に来るサンマはほとんどなく、漁場はより遠くの公海に形成されるとしています。

水産庁は燃料価格が高騰する中、遠い漁場での操業は採算が取れないと判断する漁業者も増えているとして、ことしの漁獲量の見通しを、過去最低だった去年のおよそ1万8000トンと同じ程度にとどまると見込んでいます。

また、スーパーなどに並ぶサンマの大きさについても、去年を上回るものの引き続き小ぶりなものが中心になるとしています。

サンマの資源量は、海洋環境の変化に加えて、各国の漁獲量の影響も受けることから、水産庁は、引き続き国際会議などで資源管理の強化を呼びかけることにしています。

「我慢の時期」漁業関係者

サンマの水揚げ量が全国一の根室市で大型のサンマ漁船を所有する木根繁さん(86)は「急に見通しがよくなることは考えられないが、少しは良くなってくれるかなと期待して見ている。いまは我慢の時期なので、むだな経費をかけずにできるだけ水揚げを伸ばすようにしたい」と話していました。

また、ことしは2年ぶりにロシアの主張するEEZ=排他的経済水域での漁が実施できる見込みになり、木根さんの所有する船も操業を予定しているということで、「期待できる1つのチャンスだ」と話していました。