新型コロナ全国感染状況 前週比1.26倍 45都道府県で増加

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、今月23日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が13.91人となり、前の週の1.26倍となっています。45の都道府県で前の週より増加していて、厚生労働省は「全国的には緩やかな増加傾向が続いていて、特に九州では患者の数が多く報告されている。引き続き感染状況を注視したい」としています。

厚生労働省によりますと、今月23日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から1万4451人増えて6万8601人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数が13.91人となり、前の週の1.26倍となっています。

前の週から増加が続くのは16週連続となります。

都道府県別では多い順に
▽佐賀県が27.44人
▽宮崎県が24.47人
▽長崎県が22.94人
▽沖縄県が22.43人
▽熊本県が22.05人などとなっていて、
45の都道府県で前の週より増加しました。

このほか、今月23日までの1週間に新たに入院した人は全国で8983人で、前の週と比べて1281人の増加となりました。

厚生労働省は全国の流行状況について「全国的には緩やかな増加傾向が続いていて、特に九州では患者の数が多く報告されている。これまでは例年、夏のお盆明けに感染拡大のピークを迎えているので引き続き状況を注視したい」としています。

1医療機関当たりの平均患者数(都道府県別)
▽佐賀県は27.44人
▽宮崎県は24.47人
▽長崎県は22.94人
▽沖縄県は22.43人
▽熊本県は22.05人
▽鹿児島県は21.42人
▽大分県は21.12人
▽岐阜県は20.72人
▽愛媛県は20.0人
▽鳥取県は19.97人
▽愛知県は19.68人
▽高知県は19.2人
▽石川県は19.08人
▽福岡県は18.69人
▽和歌山県は17.39人
▽三重県は16.83人
▽徳島県は16.51人
▽千葉県は15.36人
▽滋賀県は15.28人
▽山口県は14.99人
▽宮城県は14.95人
▽奈良県は14.71人
▽香川県は14.4人
▽茨城県は14.19人
▽静岡県は14.19人
▽山梨県は14.1人
▽京都府は14.06人
▽広島県は13.82人
▽大阪府は13.56人
▽新潟県は12.98人
▽岡山県は12.64人
▽兵庫県は12.57人
▽埼玉県は11.98人
▽福島県は11.96人
▽岩手県は10.79人
▽福井県は10.79人
▽島根県は10.68人
▽栃木県は9.79人
▽長野県は9.66人
▽神奈川県は9.5人
▽東京都は9.35人
▽北海道は8.92人
▽群馬県は8.66人
▽富山県は7.83人
▽山形県は7.44人
▽秋田県は6.35人
▽青森県は5.83人

専門家 “ピークまだ見えないが感染者増え続ける可能性ある”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について、「全国的に感染者の増加傾向が続き、特に九州では、先行して感染拡大した沖縄のように増加傾向が強く見られている」としたうえで、「夏休みに入り、14歳以下、とくに10歳未満の子どもの感染が全国的に増えていて、今後、大人や高齢者にも感染が広がっていくことが考えられる。この『第9波』のピークはまだ見えないが、過去にも夏場に感染が広がったことから、来月半ばから下旬にかけては感染者が増え続ける可能性がある」と話しています。

また、医療体制について、「私が所属する大学病院ではコロナの入院患者が少しずつ増えてきている印象があり、現在、感染者用の病床は7割から8割程度埋まっている。また、コロナ以外の感染症や熱中症で搬送される患者に加えて、夏休みに治療を予定していた子どもの入院患者もいて、医療のひっ迫が起きやすい時期であることにも注意しないといけない」と指摘しています。

また、5類移行後に初めて公表された死亡者数について、「公表されたのは5月の死亡者数だが、この時期は感染者数が少なかったため、死亡者の数は感染が拡大していた時期に比べてかなり少なくなっている。その後、6月、7月と感染者が増えているので、それに比例して死亡者数が増加している可能性がある」と指摘しました。

そのうえで、「死亡者の多くは高齢者や基礎疾患がある人と見られ、そうした人たちを早期の検査や治療によって守ることが大事になる。また、感染を広げないため、体調が悪ければコロナに感染した可能性も考えて、無理して外出しない、密になる場所は換気に注意し、必要に応じてマスクを着けるなど、可能な範囲で感染対策を続けることが求められる」と話していました。