TSMC 新研究開発センター開所 台湾を最重要拠点とし続ける姿勢

半導体の受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが、28日新しい研究開発センターをオープンし、アメリカや日本で工場の建設を進めながらも、最先端の半導体の開発では台湾を最重要の拠点とし続ける姿勢を示しました。

28日オープンしたのは、TSMCの「グローバル研究開発センター」です。

台湾北部の新竹サイエンスパークに完成した建物は、地上10階、地下7階建て、延べ床面積は30万平方メートルに及びます。

研究開発センターでは、ことし9月までにエンジニアなど7000人が働くことになり、世界でまだ量産が始まっていない2ナノメートルとさらに最先端の半導体の製造技術の開発や、半導体の新しい材料の研究などに取り組むということです。

開所式で魏哲家CEOは「TSMCは重点を海外に移したのかという懸念の声を聞くがそんなことはない。私たちの拠点が台湾にとどまっていることをこのセンターの開所が示している」と述べ、アメリカや日本の誘致に応じて工場の建設を進めながらも、最先端の半導体の開発では台湾を最重要の拠点とし続ける姿勢を示しました。

首相にあたる陳建仁行政院長も式に出席し「半導体産業は研究開発のスピード競争であり、先頭を走り続けなければならない。政府が最大の後ろ盾となる」と述べ、高度な人材の育成、電力や水資源の確保などでの支援を約束しました。