世界の平均気温 “今月は観測史上最も暑い1か月に” WMOなど

今月は観測史上、最も暑い1か月になる見込みだとWMO=世界気象機関などが発表しました。

WMOとEU=ヨーロッパ連合の気象情報機関は27日、今月に入って23日までの世界の平均気温は観測史上、最も高い状況だと発表しました。その原因として、5月以降世界の平均海面水温が高い状況が続いていることが影響しているということです。

そして、このままの状況が続くと今月は観測史上最も暑い1か月となる可能性が極めて高いとしています。

EUの気象情報機関のデータによりますと、世界の平均気温は2019年7月に16.63度を記録しこれまでで最も暑かった月でしたが、今月は23日までで16.95度となっていて、これまでの記録を大きく上回る形で推移しています。

WMOなどはこのところの世界的な暑さは、アジアやヨーロッパ、それにアメリカでの熱波やカナダやギリシャの山火事にも関係していると指摘しています。その上で、人々の健康や環境のほか経済に対しても大きな影響を与えていると警鐘を鳴らしています。

WMOのターラス事務局長は「温室効果ガスの排出削減が以前にも増して急務となっている。気候変動に対する行動が必須だ」と訴えています。

国連 グテーレス事務総長「地球沸騰の時代訪れた」

WMO=世界気象機関の発表にあわせ、国連のグテーレス事務総長は27日、ニューヨークの国連本部で記者会見し「地球全体にとっての大惨事であり、人類の責任であることは明白だ。地球温暖化の時代は終わり地球沸騰の時代が訪れた」と述べて強い危機感を示しました。

その上で「われわれはまだ最悪の事態を食い止めることができる」と述べ、各国に対し気候変動対策にいっそう力を入れるよう訴えました。

各国への呼びかけでグテーレス事務総長は、特にG20=主要20か国に言及し「世界の温室効果ガス排出量の80%を占めるG20諸国は、気候変動対策のために立ち上がる必要がある。G20が排出量の劇的な削減に真剣に取り組まなければならない。ほかの誰にも補うことができないことだ」と強調し、G20に対して一刻も早くより踏み込んだ対策をとるよう求めました。