【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(28日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる28日の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領がオデーサ訪問 防空能力強化の必要性強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、声明でロシア軍による攻撃を受けたウクライナ南部オデーサを訪問したと発表しました。

兵士たちがリハビリを受けている医療施設や、大きな被害を受けたユネスコの世界遺産に登録された「歴史地区」にある正教会の大聖堂も訪れ、被害状況を確認したとしています。

ゼレンスキー大統領は、修復に向けた対応について関係者から話を聞いたとしたうえで「オデーサと南部全体を守るための防空システムを求める」と述べ欧米の軍事支援でウクライナ南部の防空能力を強化する必要性を強調しました。

プーチン大統領とアフリカ連合議長 立場の違い浮き彫りに

ロシアのプーチン大統領は27日、アフリカ各国から首脳などが参加してロシアのサンクトペテルブルクで開かれている国際会議で演説しました。

この中でプーチン大統領は「ロシアは無償援助という形でもウクライナ産の穀物を代替できる」と述べ、今後3、4か月の間に、マリやソマリアなどアフリカの6か国に対してロシア産の農産物を無償で提供する用意があることを表明しました。

これに対してAU=アフリカ連合の議長国、コモロのアザリ大統領はプーチン大統領を前に「ロシアとウクライナの危機が続けば、ロシアとアフリカの将来的な協力関係も損なわれることになる」と述べロシアに対して平和的な解決を早期に見いだすよう求めました。

AUの代表として、軍事侵攻の継続はアフリカの利益にはならないとの姿勢を示した形で、ロシアとの立場の違いが浮き彫りとなっています。

ゼレンスキー大統領と対立の閣僚 ウクライナ議会が解任案可決

ウクライナ議会は27日、戦時下の国家予算のあり方をめぐってゼレンスキー大統領と意見が対立していたトカチェンコ文化情報相の解任案を可決し、ロシアによる軍事侵攻が長期化する中、ウクライナ国内での予算の配分をめぐる対立が表面化する形となりました。

地元メディアによりますと、ウクライナ議会は27日トカチェンコ文化情報相の解任案を賛成多数で可決しました。

トカチェンコ氏は、戦時下でも文化関係に国家予算を割り当てることの重要性を指摘していましたが、ゼレンスキー大統領は「文化に国家予算を使うのも大事だが、優先順位がある」などとして軍事関係に予算を優先的に使う考えを示し、今月20日にはトカチェンコ氏の更迭を提案していました。

解任案の可決を受けてトカチェンコ氏は27日、SNSで「文化にお金を出すのは戦時下では適切ではないと言うのは簡単だが、われわれは自分たちの文化やアイデンティティーなどのために戦っているのではないのか。戦時下では文化は無人機と同じくらい重要だ」などと訴えました。

サンクトペテルブルクで撮影のプリゴジン氏の写真か SNSに投稿

ロシアの新聞コメルサントなど複数のメディアは27日、6月に武装反乱を起こしたロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が、ロシアとアフリカの首脳会議が開かれているサンクトペテルブルクで撮影されたとする写真がSNSに投稿されたと伝えました。

撮影された日付や場所は確認されていませんが、コメルサントの電子版は、プリゴジン氏とされる人物とともに写っているのは、中央アフリカの代表だと伝えています。

また、イギリスの新聞フィナンシャル・タイムズは写真を投稿したのは中央アフリカで活動する、プリゴジン氏とつながりのあるロシア人だとしていて「プリゴジン氏が依然としてプーチン政権の重要な一翼を担っていることを示している」と伝えています。

ただ、これまでプリゴジン氏の主張などを伝えてきたSNSのアカウントにはこれについて何も投稿されていません。

プリゴジン氏をめぐっては、プーチン大統領が反乱後の6月29日に首都モスクワでプリゴジン氏と面会していたと、ロシア大統領府の報道官が7月10日になって明らかにしています。

また、7月19日にはプリゴジン氏だとする人物が暗がりの中で隣国のベラルーシにいると主張する映像がSNSで公開されましたが、はっきりとした消息は分かっていません。

ウクライナ選手 ロシア出身選手と握手拒否で失格 フェンシング

フェンシングの世界選手権に出場したウクライナの選手がロシア出身の選手と対戦した試合のあと握手を拒否したため失格になりました。

イタリアのミラノで行われているフェンシングの世界選手権は27日、女子サーブル個人が行われ、1回戦で、ウクライナのオリガ・ハルラン選手と個人資格で出場しているロシア出身のアンナ・スミルノワ選手が対戦しました。

試合はハルラン選手が勝ちましたが、試合後にハルラン選手は剣を持ったまま握手を拒否しました。国際フェンシング連盟では、連盟のルールで試合後に選手どうしが互いに相手に敬意を払うことを求めていて、ハルラン選手は失格処分となりました。

ウクライナの選手とロシアや同盟国のベラルーシ出身の選手をめぐってはテニスの四大大会の1つ、ウィンブルドン選手権でも試合後に選手が握手を拒否する場面がありました。