ロシアでアフリカ首脳など参加の国際会議 始まる

ロシアで、アフリカの首脳などが参加する国際会議が始まりました。プーチン政権としては自国産の農産物のアフリカへの輸出などをはじめとする協力を打ち出し、アフリカ各国の取り込みを図ることで、欧米に対抗していく構えです。

2回目となるロシアとアフリカの首脳会議は、27日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで始まりました。

ロシア政府によりますと、アフリカ54か国のうち49か国の政府関係者や企業の代表などが現地を訪問し、経済協力や人道支援などについて意見を交わすということです。

ただ、首脳が参加する国の数は17か国と、前回の43か国の半分以下にとどまりました。

これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は26日「首脳会議への参加を阻止するため、欧米がアフリカ各国の指導部に圧力をかけている」と主張し、不満を示しました。

アフリカで食料危機への懸念が高まるなか、プーチン政権としては、今回の首脳会議で自国産の農産物のアフリカへの輸出などをはじめとする協力を打ち出し、アフリカ各国の取り込みを図ることで、欧米に対抗していく構えです。

プーチン大統領 “穀物を無償で提供する用意”表明

ロシアのプーチン大統領は会議の全体会合で演説し「ロシアの穀物や肥料の輸出に向けて制裁を解除するという条件は、何一つ履行されていない」と述べ、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したことを改めて正当化し、履行の再開には制裁の解除が必要だとする立場を主張しました。

その上で「ロシアは、商業的にも、あるいはアフリカの最も困窮している国々への無償援助という形でもウクライナ産の穀物を代替できる」と述べ、今後3、4か月の間に、ブルキナファソやジンバブエ、それにマリなど6か国に対して、ロシア産の農産物を無償で提供する用意があることを表明しました。

ロシアは今月、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を一方的に停止し、食料危機への懸念が高まっています。

こうしたなか、プーチン大統領としては自国産の農産物を無償で提供する姿勢を強調し、アフリカ各国の取り込みを図ることで、欧米に対抗していく構えです。

ウクライナ外相 アフリカ訪問でロシアに対抗か

一方、ウクライナのクレバ外相は26日、アフリカ西部のリベリアを訪問しウェア大統領と会談したことをSNSで明らかにしました。

会談では、ウクライナへの連帯に謝意を述べるとともに、両国関係を前進させることで合意したとしています。

これに先立って、24日にはアフリカ中部の赤道ギニアでヌゲマ大統領とも会談し、今後の両国の協力関係やアフリカの食料安全保障に焦点をあてて意見を交わしたとしています。

ウクライナは世界有数の穀物の輸出国ですが、ロシアによる軍事侵攻で輸出が滞り、7月にはロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したことから、世界的な食料危機への懸念が高まっています。

ウクライナとしては、ロシアがアフリカ各国との首脳会議を開くのにあわせて、アフリカ各国との連携をアピールし、ロシアに対抗するねらいがあるとみられます。