川遊びでは「ライフジャケット」着用を 選び方は?

夏休みに入り川遊びをする人も増えるなか、大阪市内のホームセンターでは、万が一の事故に備える「ライフジャケット」への問い合わせが増えています。
専門家は「ライフジャケット」にはさまざまな種類があるので、体に合うものを選ぶことや、十分な機能があるか慎重に検討するよう呼びかけています。

大阪・東淀川区にあるホームセンターでは、子ども向けのものを中心に、川や海で使えるさまざまなデザインのライフジャケットを販売しています。

中には仰向けになっても頭が沈みにくいように、襟足部分に浮き袋がついているものなどもあります。

この店では去年まで新型コロナの影響で家庭用プールの売り上げが伸びていましたが、ことしはライフジャケットへの問い合わせが増えているということです。

コーナン東淀川菅原店の川上莉奈チーフは、「夏休みがスタートして、海や川に行く客から問い合わせがどんどん増えてきています。川での事故などもおきていることも影響しているのではないか」と話していました。

ライフジャケット 選び方は

さまざまな種類があるライフジャケット。

その選び方について、川での事故の分析や啓発活動などを行っている河川財団の菅原一成 主任研究員に聞きました。

ライフジャケットは、スポーツ用品店やアウトドアショップ、ホームセンターなどのほか、インターネットのサイトでも購入できます。

河川財団 菅原一成 主任研究員
「ライフジャケットは数千円から1万円を超えるものまで幅がありますが、4000円から5000円くらいで信頼性の高い製品が購入できます。逆に、非常に安い製品の場合は、十分な性能があるのか念入りに確認するようにして下さい。また、安全に利用するためにはフィット感が大切なので、初めて購入する場合には店舗などで実際に着用して確かめると安心です。使用回数が多かったり、長年使っていたりすると、浮力の低下のほか、生地やバックルが劣化することがあるので、十分な機能があるか慎重に確認する必要があります」

ポイント1 川遊びは「固型式」を

ライフジャケットは、大きく分けて▽発泡プラスチックなどの浮力材が入っていてベストタイプの「固型式」と、▽落水した際に空気で膨らむ「膨張式」の2つがあります。

「膨張式」はコンパクトで持ち運びやすく、腰に巻くタイプも販売されていますが、堤防での釣りなどで、万が一、転落した場合に使うことを想定しています。

ですから、常に水に入って遊ぶ、水に濡れることが前提の川遊びの場合は、「固型式」を選ぶ必要があります。

ポイント2 「浮力」を確認

また、十分な浮力があるか確認してください。

浮力は、ライフジャケット本体やタグに表示されています。

インターネットを通じて購入する場合はホームページの商品情報などから確認してください。

一般的に、頭を水から出して呼吸を確保するためには、ある程度の浮力が必要で、河川財団によりますと目安は、▽大人は5.85~11.7キロ程度▽子どもは4~5キロ程度です。

ラフティングや渓流釣りなどで、流れが激しく空気を含んで白く泡だった「ホワイトウォーター」とよばれる場所に近づく時には、より浮力が大きいものを選んだ方が良いということです。

ポイント3 「フィット感」を確かめて

川に落ちたり、流されたりした時でも簡単に脱げないようなものを選んでください。

チャックやベルト、紐などで体に密着できるものを選びましょう。

試着できる場合には、実際にベルトなどをしっかり閉め肩の部分を上に引っ張ってもずれ動かないことを確認してください。

また、子どもの場合、大人よりも体に凹凸がなくライフジャケットが脱げやすいので、「股下ベルト」が付いているタイプを選んでください。

ポイント4 マークのあるものも

迷った時には性能が確認されていることを示す「マーク」が付いているものを選ぶのも選択肢です。

流れのある川で遊ぶ場合、▽RACマークや▽CSマークが付いていると安心だということです。

特に、RACマークは、動きやすさや脱げにくさが考慮された、川遊びに特化したものにつけられるということです。

一方、小型船舶では着用が義務づけられている桜マークのライフジャケットは、すべての製品が流れのある川での活動に適している訳ではないということで、脱げにくさなどをしっかり確認して欲しいということです。

河川財団 菅原一成 主任研究員
「川にはリスクはありますが、貴重な体験ができる場所でもあります。リスクを知り、ライフジャケットを身に着けるなど、しっかりと対策をした上で楽しんでほしいです」