なでしこジャパン 池田太監督 大切にするのは“雰囲気づくり”

サッカー女子のワールドカップで決勝トーナメント進出を決めた日本代表、なでしこジャパン。チームを指揮する池田太監督が大切にしているのが“雰囲気づくり”です。世界の舞台で躍動するチームからそのいったんが見えてきました。

2連勝で決勝トーナメント進出決定

19歳 藤野あおば選手はW杯 初ゴール

なでしこジャパンは、ここまで1次リーグ2試合を戦い初戦はザンビアに5対0、第2戦はコスタリカに2対0と危なげない戦いぶりで、はやばやと決勝トーナメント進出を決めました。

6人の選手がゴールを決め、守りでは無失点。

熊谷紗希主将(左から3人目)

得点の場面では、ベンチの選手を加わり、抱き合って喜ぶ姿も見られるなど最年長でキャプテンを務める熊谷紗希選手から10代の若手までチームの一体感を感じさせます。

決勝トーナメント進出を決めた試合から一夜明けて池田監督がインタビューに応じ、ここまでの戦いに手ごたえを話しました。

ゴールを決めた田中美南選手を祝福

なでしこジャパン 池田太 監督
「集中力高く、隙なく戦えている。選手たちが日頃から積み上げてきたものをピッチで出してくれている。いろんな選手が活躍してくれるのはうれしい」

池田太監督 どんな人?

52歳の池田監督は、現役時代はディフェンダーで埼玉の強豪、武南高校から青山学院大を経てJリーグが開幕した1993年に浦和レッズに入団。

浦和レッズ時代の池田監督(1994年)

3年後に現役を引退したあと指導者の道に進みました。

女子サッカーに関わるようになったのは6年前の2017年で19歳以下の女子の日本代表の監督に就任しました。そして、よくとしには20歳以下のワールドカップでチームを初優勝に導きました。

20歳以下 女子W杯で初優勝に導く(2018年)

このとき池田監督のもとで戦った選手のうち7人が今回のなでしこジャパンのメンバーに入っています。

▽DF:南 萌華
▽DF:高橋 はな
▽MF:林 穂之香
▽MF:長野 風花
▽MF:宮澤 ひなた
▽MF:遠藤 純
▽FW:植木 理子

大切にしてきた “雰囲気づくり”

おととし、なでしこジャパンの監督に就任してからは、再び、世界を驚かそうと、こうした若手を育てるとともに年長組の選手たちとの融合を図ってきました。

世界一を知る熊谷紗希主将を中心に

そこで大切にしてきたのが“雰囲気づくり”です。

池田監督自身、気さくな人柄でコミュニケーションの見本になることをモットーとし、会話するときは「まず、選手が何を考えているのか、何を感じているのかを聞く。そこから話が進んでいく」と常に選手を優先してきました。

キャリアや年齢に関わらず、誰でも発言できる空気を作ってきました。

“雰囲気づくり”を大切に

育成年代からともに世界への挑戦を続けてきた選手たちは…。

遠藤 純 選手
「すごく熱血で私たちを鼓舞してくれる。奮い立たせてやるぞという気持ちにさせてくれる。世界一の監督にしたい」

植木 理子 選手
「昔から本当に熱い人で力を与えてくれる」

高橋 はな 選手
「選手に寄り添ってくれる」

“花を咲かせ始めた なでしこ” 強豪との戦いへ

なでしこジャパンは、31日の1次リーグ最終戦でスペインと対戦します。

世界ランキングが上の強豪との戦いがいよいよ始まり、その後の決勝トーナメントでは負けられない戦いが続きます。

真価が問われる舞台に向けて池田監督は自信を示しました。

初戦で2ゴール 宮澤選手は20歳以下 女子W杯のメンバー

池田太 監督
「みんなが同じ方向に向いていけるようになればいい。大好きなサッカーで世界で戦えている喜びもそうですし、日本代表を背負っているという誇りも持って戦って欲しいということは伝えている。選手それぞれみんながコミュニケーションとれる雰囲気づくりで、私だけでなくスタッフ含めて一体感を作れている」

選手たちが親近感を持って「太さん」とも呼ぶ池田監督のもと、花を咲かせ始めたなでしこたちが同じ目標に向かって一体感をさらに高めることができるかが今後の戦いの鍵となります。