ガス漏れで引火 爆発も…バーベキューで気をつけてほしいこと

夏になったし、家族や友達とバーベキューを楽しもうかな…という人も多いかもしれません。

でも、気をつけてください。今、ガス製品による事故が相次いでいるんです。

バーベキューに行く前に、ガス製品の正しい使い方を確認しておいてください。

(※動画で危険なガス製品の使い方の実験を紹介しています。アプリでは動画はご覧いただけませんので、ブラウザ版をご覧ください。)

2台並べて使うと…爆発のおそれ

まずこちら、少し長いですが1分13秒の映像をご覧ください。

焼きそばやお好み焼きなどを作る大きな鉄板、その真ん中にガスカートリッジが来るようにガスコンロを2台置き、火を使った実験です。

ガスコンロが爆発(動画 1分13秒)

点火から15分程度で真ん中のカートリッジが破裂し、大きく炎が上がりました。

非常に危険ですので、決してマネをしないでください。

アウトドアブームなど背景 ガス器具の事故が増加

NITE=製品評価技術基盤機構によりますと、アウトドアブームなどを背景にガス器具による事故が増加していて、2022年度にNITEに報告があった件数は39件で、3年前の21件に比べて2倍近くに増えています。

NITEの調査では大きく、
▽漏れたガスに引火した事故と
▽ガスカートリッジの過熱で破裂した事故に分かれ、
ほとんどのケースで
▽ガス器具などの不具合や
▽誤った使い方が原因になっているということです。

引火事故の8割以上が「ガストーチ」

ガスへの引火による事故の8割以上で使われていたのが、ガストーチです。

ガスカートリッジなどに取り付けて直接火を出すことができます。

次の49秒の動画はNITEが行った実験で、取り付けが不十分なときにガス漏れが発生したり、大きく傾けて使用した時に異常燃焼が起きたりして火が大きく広がる様子がわかります。

取り付けが不十分だと…(動画 49秒)

NITEは、使用する前にガスカートリッジとの接続部分をしっかり見て、正しい使い方も確認してほしいとしています。

「カートリッジガスコンロ」やってはいけないこと

カートリッジ式のガスコンロの事故も多くなっています。

風などをよけるために周囲全体を石などで囲むと、調理器具からの熱でガスが入ったボンベの接続部分が変形し、ガス漏れにつながる可能性があるということです。

また、暑い日にガスカートリッジを車の中に放置したところ、1時間後に破裂したという報告もあったそうです。

詳しい原因の特定には至っていないということですが、温度が高くなる車の中やコンクリートの上などにガスカートリッジを放置するのは危険で、クーラーボックスなどの中に保管するのが望ましいということです。

火の近くで「冷却スプレー」の使用は厳禁!

このほか、暑い日などに使う冷却スプレーでも注意が必要です。

可燃性のガスを使用しているものがあり、火の近くで使わないようにしてください。

実験では、Tシャツの中に冷却スプレーを吹きつけた後に火を近づけると、シャツが燃えるほど火が広がりました。

着火剤の継ぎ足し やけどや火災につながる可能性

ガス器具以外では、火起こししたあとにジェル状などの着火剤を継ぎ足すと、やけどや火災につながる可能性があるということです。

次の20秒の動画では、飛び散った着火剤が人にかかり、火が燃え移る様子がわかります。

着火剤の継ぎ足し(動画 20秒)

ことし5月には、福岡県の専門学校でバーベキューの炭の火に消毒用のアルコールをかけて爆発的に炎上し、1人が死亡する事故が起きました。

楽しいバーベキューの時間も火の扱い方しだいで、一瞬にして悲劇に変わることがあるのです。

NITE担当者「説明書を読んで安全に使ってほしい」

27日にオンラインで開かれた会見で、NITE製品安全広報課の宮川七重課長は「アウトドアグッズの取り扱い説明書をよく読まずに使う人が、およそ半数に上ったというアンケート結果もある。説明書を読んで、安全に使ってほしい」と話していました。