犯罪被害者や遺族の心情を加害者に 新制度開始を前に研修会

刑務所や少年院が犯罪被害者や遺族の心情を聞き取って、加害者に伝える新たな制度が始まるのを前に、全国の施設の担当者を集めた研修会が都内で開かれました。

全国の刑務所や少年院では、被害の回復や加害者の真の反省につなげようと、ことし12月から被害者や遺族の心情を加害者に伝える取り組みが始まることになっていて、法務省は25日からこれに向けた研修会を東京・昭島市で開いています。

研修に参加した担当者はそれぞれの施設で被害者や遺族の希望に応じて聞き取りを行い、その内容を加害者に伝える役割などを担うことになっていて、26日は遺族などを招いて話を聞きました。

このなかで2002年、当時25歳だった長男を殺人事件で失った女性は「『どうして息子を救えなかったのか』と自分を責める日々でした。加害者は出所後の生活に希望を持ち『もう過去のことだ』と思うかもしれないが、被害者は事件当時の苦しみのままもがいています」と苦悩を語りました。

そのうえで「加害者の反省やしょく罪の意識があって、初めて、更生の第一歩だと感じます。もし加害者が悔い改め被害者の心の傷に本当に気がつけたらこの制度が被害者のものだけでなく、再犯防止につながると期待しています」と制度への願いを述べました。

続いて講演した犯罪被害者を支援する団体の職員は「被害者に人として配慮し、事務的に聞き取るのではなく、心を寄せて理解しようとしてほしい」と訴えました。

法務省は今後、各地でこうした研修を行うことにしています。