【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(27日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる27日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領「穀物を無償援助という形で代替」

ロシアのプーチン大統領は、アフリカの首脳などが参加する国際会議の全体会合で演説し「わが国はウクライナ産の穀物を、商業的にも、あるいはアフリカの最も貧しい国々への無償援助という形でも代替できる」と述べました。

そして今後3、4か月の間に、アフリカの複数の国に対してロシア産の穀物を無償で提供する用意があることを表明しました。

ロシアは今月、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を一方的に停止し、食料危機への懸念が高まっています。

ウクライナ外相 アフリカ訪問でロシアに対抗か

ウクライナのクレバ外相は26日、アフリカ西部のリベリアを訪問しウェア大統領と会談したことをSNSで明らかにしました。

会談ではウクライナへの連帯に謝意を述べるとともに両国関係を前進させることで合意したとしています。

これにさきだって、24日にはアフリカ中部の赤道ギニアでヌゲマ大統領とも会談し、今後の両国の協力関係やアフリカの食料安全保障に焦点をあてて意見を交わしたとしています。

ウクライナとしてはロシアがアフリカ各国との首脳会議を開くのに合わせてアフリカ各国との連携をアピールし、ロシアに対抗するねらいがあるとみられます。

ロシア アフリカと首脳会議 各国の取り込み図る

ロシアとアフリカの2回目となる首脳会議が、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで始まりました。

ロシア政府によりますと、アフリカ54か国のうち49か国の政府関係者や企業の代表などが現地を訪問し、経済協力や人道支援などについて意見を交わすということです。

アフリカで食料危機への懸念が高まるなか、プーチン政権としては、今回の首脳会議で自国産の農産物のアフリカへの輸出などをはじめとする協力を打ち出し、アフリカ各国の取り込みを図ることで、欧米に対抗していく構えです。

ただ、首脳が参加する国の数は17か国と、前回の43か国の半分以下にとどまりました。これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は26日「首脳会議への参加を阻止するため、欧米がアフリカ各国の指導部に圧力をかけている」と主張し、不満を示しました。

ロシア 国際刑事裁判所の赤根智子裁判官を指名手配

ロシアの国営通信社は27日、ロシア内務省の指名手配リストにICC=国際刑事裁判所の赤根智子裁判官が掲載されたと伝えました。

具体的にどのような容疑で指名手配したのかは明らかになっていませんが、ICCはことし3月、ロシアがウクライナの占領地域から子どもたちをロシア側に移送したことをめぐり、国際法上の戦争犯罪の疑いでプーチン大統領など2人に逮捕状を出しました。

これに対しロシアの連邦捜査委員会は3月、赤根裁判官を含む4人に対して刑事手続きを開始し、これまでに主任検察官らを本人不在のまま起訴したと発表していました。

NATOがウクライナと緊急協議 黒海で監視や偵察活動を強化へ

ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止しウクライナ南部への攻撃を繰り返していることを受けて、NATO=北大西洋条約機構はウクライナと緊急の協議を行い、ロシアを強く非難するとともに黒海地域で監視や偵察活動を強化するとしてけん制しました。

国連安保理で緊急会合 欧米各国がロシアを強く非難

ウクライナ情勢をめぐって国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、欧米各国は、ロシアがウクライナ南部に攻撃を繰り返していることを強く非難したのに対し、ロシアは、会合での発言を拒否して参加しませんでした。

ウクライナ 多数の死者が出た捕虜収容施設攻撃で真相究明訴え

ウクライナ東部のロシア側が管理する捕虜の収容施設が攻撃され、多数の死者が出てから1年になるのを前に、26日、攻撃で亡くなったウクライナ人の捕虜の遺族などを支援する団体が記者会見し、真相を究明するため、国際的な調査団の派遣が必要だと訴えました。

ロシア 27日からアフリカ各国と首脳会議へ 各国の取り込み図る

ロシアはウクライナへの軍事侵攻を受け欧米との対立が深まる中、27日からアフリカ各国との首脳会議を開きます。

プーチン政権としては自国産の農産物の輸出などをはじめとする協力を打ち出し、アフリカ各国の取り込みを図ることで欧米に対抗していく構えです。