国際

ニジェール 大統領警護の部隊が大統領を監禁 現政権終了を宣言

西アフリカのニジェールで、大統領の警護に当たる軍の部隊が大統領を監禁状態に置き、現政権の統治を終了させたと宣言しました。ニジェールの近隣国でもここ数年クーデターが相次いでいて、地域のさらなる不安定化が懸念されています。

ロイター通信などによりますとニジェールの首都ニアメーで26日、大統領の警護に当たる軍の部隊が、大統領公邸を封鎖し、バズム大統領を監禁状態に置いたということです。

ニジェールの大統領府は、SNSで「バズム大統領と家族は無事だ。反乱部隊が正気に戻らなければ陸軍が攻撃する準備を整えている」と投稿し、反乱を鎮圧する構えを見せていました。

しかし、その後、深夜になって兵士らが国営テレビで声明を発表し「現政権の統治を終了させる決断をした。現行憲法を停止し、国境を一時的に封鎖する」と述べ権力を掌握したと宣言しました。

AU=アフリカ連合は「クーデターの企てを強く非難する」との声明を出したほか、国連や欧米諸国からも事態を懸念する声が出ています。

ニジェールやその周辺国では、10年余り前からイスラム過激派が勢力を拡大し、治安の悪化が深刻化しています。

こうした中、隣国のマリやブルキナファソでもここ数年、クーデターが相次ぎ、軍事政権のもとロシアへの接近を強めています。

ニジェールは、フランスなど欧米諸国との連携を重視して過激派対策を進めていただけに、政治的な混乱によって地域のさらなる不安定化につながることが懸念されています。

松野官房長官「在留邦人の安全確保に万全を」

松野官房長官は午後の記者会見で「深く憂慮し、今般の行動を強く非難し、バズム大統領の身の安全が確保されることを求める」と述べました。

そのうえで「在コートジボワール大使館から在留邦人に対して、無用な外出を避け、身の安全を確保するよう注意喚起を行った。これまでのところ、在留邦人の生命・身体に被害が及んでいるとの情報には接していないが、政府としては引き続き情報収集に努めるとともに、緊張感を持って邦人の安全確保に万全を期していきたい」と述べました。

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