猶本光 29歳で初挑戦の大舞台 念願のゴール

「自分のゴールで勝たせたいと思っていたので、貢献できてうれしい」。

サッカー女子ワールドカップで「なでしこジャパン」は初戦・ザンビア戦の勢いそのままに、1次リーグ2連勝としました。その勝利への流れを生み出したのは、29歳で初めてワールドカップの舞台に挑んでいる猶本光選手です。

将来を期待されながら…ようやく

福岡県出身の猶本光選手。

2018年から2シーズンにわたってドイツ1部リーグフライブルクでプレーしたあと、三菱重工浦和レッズに復帰し、今シーズンチームのWEリーグ初優勝に貢献しました。

三菱重工浦和レッズで活躍

正確なパスとシュート、そして状況判断にもすぐれた攻撃的な選手で、10代から年代別の日本代表で国際大会を経験しました。

「なでしこジャパン」にも20歳の若さで選ばれ、将来を期待されました。

しかし、これまでワールドカップには縁がなく、6月13日のメンバー発表の際には多くの選手が笑顔を見せる中、猶本選手はあふれる感情を抑えきれず大粒の涙を流しました。

W杯代表に選ばれ涙(6月13日)

猶本光 選手
「世界の大きな舞台と縁がなかったが、それでもずっと世界で戦うことを思い描きながらトレーニングを積み重ねてきた。このままじゃ終われないという思い、そしてずっと応援してくれる人たちの存在が力になった。こうした人たちに世界の舞台でいいプレーを見せることが恩返しだと思っている。感謝の気持ちをプレーに乗せたい。この大会にすべてをぶつけたい」

ついにつかんだW杯の舞台へ

初戦のザンビア戦。

後半32分から途中出場した猶本選手は、ゴールやアシストはなかったものの念願のワールドカップのピッチで初めて躍動しました。

その感触について「いろんな人からワールドカップは特別だと言われていたが、ふだんどおりの試合だった。緊張しなかった」と語りました。

そしてコスタリカ戦に向けては得点に意欲をみせました。

猶本光 選手
「自分が出ている時間の中で結果を残したい。最後は個人のクオリティーが求められる。シュートを打っていく」

26日の1次リーグ第2戦 コスタリカ戦。

スリートップの左でワールドカップ初先発を果たした猶本選手。序盤から積極的にゴール前にあがってチャンスを伺いました。

先制点決める猶本光選手

そして前半25分、左サイドで田中美南選手からのパスをフリーで受けると、利き足とは逆の左足からの力強く正確なシュートで先制点をもたらしました。

試合後、前の試合から先発メンバー4人を入れ替え、攻撃陣の1人として猶本選手を起用した池田太監督は「誰を出してもしっかり戦えるのは、なでしこジャパンの強みだ」と、その活躍に納得の表情を見せました。

試合後、猶本選手は充実した表情で話しました。

猶本光選手

猶本光 選手
「自分のゴールで勝たせたいと思っていたので、貢献できてうれしい」

ついにつかんだワールドカップの舞台、そして初先発で結果を出した猶本選手。グループ1位通過をかけた31日のスペイン戦、さらに決勝トーナメントでもチームの勝利に貢献する活躍が期待されます。