ことし最高に並ぶ39.7度 各地で進む熱中症対策

きょう26日も全国的に晴れて気温が上がり、埼玉県鳩山町では39.7度とことし最も高くなったほか、西日本と東日本の広い範囲で危険な暑さとなりました。連日、猛暑が続くなか、様々な分野で「熱中症対策」が進められています。

埼玉県鳩山町で39.7度

気象庁によりますと、26日も西日本から北日本にかけて高気圧に覆われ、晴れて気温が上がりました。

埼玉県鳩山町では、39.7度を観測し、7月16日の群馬県桐生市と並んで、ことし全国で最も高くなりました。

また、日中の最高気温は
▽群馬県伊勢崎市で39.4度
▽愛知県豊田市と岐阜県多治見市で39.2度
▽京都市で38.9度
▽東京・八王子市で38.1度などと西日本と東日本の広い範囲で危険な暑さとなりました。

岐阜市

このほか、
▽東京の都心で37.7度
▽福岡県久留米市で37.1度
▽岡山市で36.4度、▽大阪市で36.1度
▽仙台市で35.3度などと、北海道から九州にかけての200あまりの観測点で35度以上の猛暑日となりました。

東京都 銀座

東京の都心はことし最も暑くなったほか、7月の猛暑日の日数が8日と2001年の7日を22年ぶりに上回り、7月としては気象庁が1875年に統計を取り始めてから最も多くなりました。

少年サッカーチーム 熱中症対策を徹底

猛暑が続くなか、求められるのが、熱中症対策です。

子どもたちのサッカーチームでは、練習時間を遅らせたり、水分の補給を指導したりして熱中症の対策を徹底しています。

東京・渋谷区を本拠地とする小学生などのサッカーチームは、昼過ぎに行っていた夏休みの練習を数年前から夕方に行うようにしています。

25日午後4時半ごろ、およそ30人が集まり、半分ほどが日陰になった小学校の校庭でドリブルやパスの練習に励んでいました。

チームでは、環境省が気温や湿度などをもとに発表する「暑さ指数」が31以上の場合、練習や試合をしないようにしていて、別のチームから練習試合の誘いを受けても断るということです。

水分や塩分の補給にも注意を払っています。

「練習中はいつでも給水して良い」と指導しているほか、低学年などの子ども向けには給水タイムも設けています。

子どもたちは、練習の合間にこまめに水筒の水や麦茶を飲んでいました。

経口補水液と同等の栄養分が含まれるというタブレットも用意していて、コーチが、疲れが見えた子どもに渡していました。

メーカーによりますと、直接食べても問題はありませんが、吸収の速さなどから水に溶かして飲むことを勧めているということです。

サッカーチーム「渋谷東部.JFC」 長田順平コーチ
「練習や試合を行う時間帯の気温と湿度を事前にチェックして、暑い時間帯をなるべく避けることが大事だと思います。子どもたちには、なるべく自分で水や氷などを準備するように指導しています」

冷房機器の受注 大幅増加

冷たい水を循環させるベスト

都内の空調メーカーでは、工場の熱中症対策として、企業からの冷房機器の受注が去年に比べて大幅に増えています。

東京・港区にある空調メーカーでは、鉄鋼や食品工場など暑い現場で従業員が長時間、作業をする企業を中心に冷房機器の販売やレンタルを行っています。

この会社では例年、夏になると受注が増えますが、ことしは去年の同じ時期に比べて3割以上、注文が増えています。

メーカーによりますと、猛暑が続いていることから従業員の熱中症対策として新たな設備を導入したいという問い合わせが多く寄せられているということです。

中でも用意している冷房機器のうち、冷たい水を循環させて体を冷やすベストは、貸し出しの問い合わせがことしはこれまでに120件を超え、去年1年間の件数をすでに上回ったということです。

鎌倉製作所の木野良太課長は「職場環境を良くしたいという企業からの問い合わせが増えています。熱中症を出さないようニーズに応えていきたい」と話していました。

最新の猛暑対策グッズ

ファンがついたランドセル

東京・江東区では、最新の暑さ対策グッズを一堂に集めた展示会が始まり、日常生活で着用できる冷却用のファンつきの服や、ペット用の保冷ベストなどが紹介されています。

江東区の東京ビッグサイトで始まった展示会には空調機器メーカーなど60社あまりが出展し、建設・土木の関係者や一般向けに開発された製品を紹介しています。

このうち、繊維専門商社のブースでは、建設現場などでは一般的に使われる冷却用のファンがついた作業着を日常生活やレジャーなどでも使えるようにデザインしたベストやパンツなどが展示され膨らみにくく動きやすいつくりが特徴だということです。

ファン付きのアパレルはほかの企業も紹介していて、散歩や登山、スポーツ観戦用として、帽子の中に付けたファンで空気の流れをつくり、頭を冷やす帽子も展示されています。

一方、自転車のヘルメット時の暑さと不快感を軽減しようと、機能衣類を扱う会社が開発した冷たい感触の生地を使ったキャップは、ヘルメットの着用が努力義務化されたことでニーズが大きいということです。

ペット用冷却ベスト

さらにペット用として、長時間効果が続く保冷剤を付けたベストなどさまざま製品が並び、訪れた人は特徴や値段などを担当者に確認していました。

展示会の事務局を務める日本能率協会の田中知輝さんは、「猛暑対策のための製品の開発や活用を後押しすることで、熱中症を予防につなげていきたい」と話しています。

あなたも熱中症対策を!

26日は夕方になっても気温が下がらず、猛烈な暑さが続いているところがあるほか、あす27日も危険な暑さとなる見込みで、日中の最高気温は、大分県日田市で39度、京都市や岐阜市、さいたま市で38度と予想されています。

また、岡山市や福島市で37度、東京の都心や高松市で36度、福井市で35度などと各地で猛暑日となる見込みです。

気象庁と環境省は、熱中症の危険性が極めて高まるとして、北海道の十勝地方と茨城県、埼玉県、東京の小笠原諸島、千葉県、山梨県、愛知県、岐阜県、三重県、新潟県、石川県、大阪府、兵庫県、和歌山県、広島県、島根県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、山口県、福岡県、大分県、長崎県、佐賀県、熊本県、宮崎県、奄美地方を除く鹿児島県に「熱中症警戒アラート」を発表しています。

7月に入って熱中症で病院に搬送される人が急増していて、亡くなるケースも相次いでいます。

建物の中で体調を崩す人も多く、エアコンなどで室温を適切に調節し、のどが渇かなくてもこまめに水分補給をしてください。

また、屋外で活動する際には無理をせず定期的に休憩をとるなど熱中症への対策を続けてください。