台湾の国際空港で中国軍空てい部隊に襲撃される想定の訓練

台湾で利用客が最も多い国際空港が中国軍の空てい部隊に襲撃されるという想定の訓練が行われました。この空港でこうした訓練が行われるのは初めてで、中国軍の脅威が増しているという認識の表れとみられます。

26日の訓練は、台湾国防部が今月24日から28日までの予定で行っている、年に1度の大規模な軍事演習の一環として行われました。

北部の桃園国際空港が、中国軍の空てい部隊に襲撃され、これを撃退するという想定です。

訓練が始まると、中国軍にふんした赤い印を付けた6機のヘリコプターが空港に接近したあと、兵士たちが降り立ちました。

そして防衛しようとする台湾軍の兵士たちと銃撃戦を繰り広げながら空港の施設を模した仮設の設備を制圧していきました。

その後、台湾軍の兵士たちが反撃に出て施設を奪還し、訓練を終えました。

桃園国際空港は、台湾海峡に面した海岸からわずか数キロ、総統府などがある台北の中心部との間も直線で30キロ程度の距離にあり、中国軍が台湾に侵攻する場合、主要な制圧目標の1つになるとみられています。

台湾国防部によりますと、利用客が台湾で最も多いこの空港で、こうした訓練が実施されるのは今回が初めてで、中国軍の脅威が増しているという認識の表れとみられます。

訓練が行われていたおよそ30分間は、空港を発着する旅客機はみられなくなり、空港会社によりますと、一部の便に影響が出たということです。