マイナンバーで参院閉会中審査 河野デジタル相 “説明尽くす”

マイナンバーをめぐる問題が相次いでいることを受けて、26日参議院で閉会中審査が行われ、河野デジタル大臣は来年秋に今の健康保険証を廃止する政府の方針について、国民に丁寧に説明を尽くす考えを示しました。また、加藤厚生労働大臣もトラブルへの対応やメリットの周知に努めたいとして方針に理解を求めました。

この中で、
▽自民党の山田太郎氏は、今の健康保険証を来年秋に廃止してマイナンバーカードと一体化させる政府の方針をめぐり、「制度の信頼が非常に揺らいでいる。信頼回復を優先し、来年秋の期限ありきではなく、丁寧に国民からの理解を得るよう努めるべきではないか」と求めました。

河野デジタル大臣は「発行済みの保険証は来年秋から最大1年間の経過措置が設けられており、こうした期間も使いながら丁寧に説明し、不安の払拭(ふっしょく)に努めていきたい。保険証の廃止後もマイナンバーカードや資格確認書を使って、どなたも保険診療を受けてもらえるよう維持していくことに変わりはなく、それをしっかりと国民に伝えていきたい」と述べました。

▽立憲民主党の杉尾秀哉氏は「政府の説明不足は明らかで、来年秋の予定どおりの健康保険証の廃止は世紀の愚策としか言いようがない。撤回を求める世論をどう受け止めているか」とただしました。

加藤厚生労働大臣は「誤ったひも付けや、現場のさまざまなトラブル、メリットの周知不足といった背景があるが、医療DX=デジタル化を進め、より多くの情報に基づいて、より的確な医療を行っていくことが私たちが目指すべき方向だ。トラブルに対応し、メリットの周知を図るといった努力を一つ一つ重ねていきたい」と述べ、理解を求めました。

一方、河野大臣はマイナンバーカードの自主返納について、「不安に感じる方がいるのは大変申し訳なく重く受け止めている。マイナポータルから、ひも付けの誤りがあるかどうかを本人が確認することも出来るので、そうしたことを丁寧に周知していきたい」と述べました。

河野デジタル相 “必要な仕事をするのは当たり前”

河野大臣は政府がマイナンバーカードの問題を受けて総点検を進めるなか、海外に出張していたことについて問われ、「総点検は、まず自治体などのひも付け機関に、これまでのひも付け方法を点検してもらっている。ひも付け機関からの回答を待っている時期に、必要なデジタル庁の仕事をするのは当たり前のことだ」と述べました。

「今回の調査 丁寧に対応するよう事務方に指導」

政府の第三者機関である個人情報保護委員会がデジタル庁に立ち入り検査を実施したことに関連して河野大臣は「個人情報保護委員会が求める情報が十分に提供できてこなかったことは誠に遺憾だ。今回の検査にあたっては委員会の求めに応じて丁寧に対応するよう事務方にも指導している」と述べました。

加藤厚労相 “千葉と同じシステム利用 トラブル確認を”

マイナンバーカードと一体化した健康保険証をめぐり、千葉県の医療機関で医療費の負担割合が誤って登録されるトラブルが確認されたことを受けて、加藤大臣は「千葉と同じシステムを利用している場合はトラブルが起こる蓋然性が高いので確認をお願いする。他のシステムで同じ事象が発生する可能性がないかどうかも速やかに確認したい」と述べました。