パリオリンピックまで1年 日本選手は東京大会から世代交代進む

7月26日でパリオリンピックの開幕まで1年です。多くの支援を受けた自国開催の東京大会で過去最多の58個のメダルを獲得した日本は選手の世代交代が進み、競技に取り組む環境の変化も余儀なくされていて、パリ大会で継続した成果をあげられるのかが課題となります。

パリオリンピックはフランスの首都・パリを中心に、来年の7月26日に開会式が行われ、8月11日までの17日間の日程で行われます。

新型コロナの影響で東京大会が史上初めて1年延期されたため、3年の間隔で迎えるパリ大会では空手と野球・ソフトボールが除外され、新たにブレイキンを加えた32競技の329種目が実施され、およそ1万人の選手が参加する見込みです。

日本勢は柔道やレスリング、体操に加え、東京大会で注目を集めたスケートボードやスポーツクライミングなどのアーバンスポーツでメダル獲得が期待されています。

大会に向けた代表選考ではサーフィンや柔道などですでに代表に内定した選手がいて、今後、各競技で選手選考が本格化していきます。

ただ、東京大会を区切りに、柔道や体操、卓球などの各競技で実力者が相次いで引退して世代交代が進み、スポンサーなどの支援を背景に強化を進めてきた選手たちが競技に取り組む環境も大きな変化を余儀なくされています。

57年ぶりの自国開催となった夏のオリンピックで金メダル27個を含む過去最多の58個のメダルを獲得した日本は、その成果を来年のパリ大会でも継続していくことができるのかが課題となります。

卓球 張本智和選手「1日1日がより大切に」

卓球のパリオリンピックの代表選考ポイントで男子の1位を独走する張本智和選手(20)は大会まで1年となったことについて、「東京オリンピックの前もそうだったが、残り1年というのはあっという間に過ぎるので、1日1日がより大切になってくる。表彰台の1番高いところに上りたいし、金メダルを1枚でも持ち帰りたい。そのためには過酷な練習や試合を乗り越えてこそだと思う。いい場面を増やせるように頑張っていきたい」と話しています。

卓球 早田ひな選手「本当に時間がない」

また、女子の選考ポイントで1位を独走する早田ひな選手(23)は「今は目の前の試合をこなすことで精いっぱい。本当に時間がないという、ただその一言だ。強くなるためにはいろんなことに挑戦したり、視野を広げていろんな角度から見たりとか、そういう部分がすごく大事になってくる。固定概念をなくしていって、チャレンジできるものはすべてチャレンジして自分のものにしていきたい」と話しています。

サーフィン 松田詩野選手「経験積みいい波つかめるように」

来年のパリオリンピックの代表に日本選手として最初に内定したサーフィンの松田詩野選手(20)は大会の1年以上前に代表内定を決めたメリットを生かして、今月中旬までオリンピックの会場となるタヒチの海でおよそ3週間の練習に臨みました。

タヒチの海の印象について松田選手は「ふだん入っている海とはまったく違いなかなか長く入れるきれいな波のチューブが見つけられなかったが、4日目くらいに一番いい波を抜けられて、『4日目で抜けられたのは結構いいほう』と言われた。もっと経験を積んでいい波をつかめるようにしていきたい」と振り返りました。

そして来年のパリオリンピックに向けては、「現地に行ってみて、ここで自分が戦うということをすごく実感した。実際に海に入ってみて戦える自信もついたし、この1年という期間でもっと現地に行って練習していきたい」と話していました。