“ロシア軍が今後 民間船も攻撃する可能性” イギリス国連大使

ロシアが黒海に面したウクライナ南部への攻撃を繰り返す中、イギリスの国連大使は、ロシア軍が今後、穀物倉庫などに続いて、民間の船まで攻撃する可能性があると明らかにしました。

ロシアはウクライナの農産物の積み出し港がある南部オデーサ州で、ミサイルや無人機による攻撃を繰り返し、24日にはルーマニアとの国境に近いドナウ川沿いの港にまで攻撃を拡大させました。

イギリス国防省は25日、ロシアはウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止して以降、オデーサ周辺で異例ともいえる数の対艦ミサイルを使用しながら、港の穀物倉庫や歴史的な市街地への攻撃を繰り返していると指摘しました。

また、ロシアがオデーサを標的にしている理由について、「ウクライナがこの地域に武器などを保管しているとみなしている」と分析しています。

こうした中、イギリスのウッドワード国連大使は25日、ニューヨークの国連本部で急きょ記者会見し、「ロシア軍はウクライナの穀物施設に対する標的をさらに拡大して、民間の船も攻撃する可能性がある」と述べ、ロシア軍が今後、民間の船まで攻撃する可能性があると明らかにしました。

さらに、「ロシア軍がウクライナの港への航路に追加の機雷を設置した情報がある」とした上で、民間の船への攻撃をウクライナの責任だと主張するためのものだと非難しました。

そのうえでウッドワード国連大使は、国連安全保障理事会の議長国として、ウクライナの要請に基づいて、ロシアによるオデーサへの攻撃や農産物輸出の合意履行停止について対応を協議する緊急会合を26日に開くと明らかにしました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日、記者団に、「現時点で農産物の輸出をめぐる合意に戻ることはありえない」と述べ、27日からロシアで開かれるアフリカ諸国との首脳会議でプーチン大統領がロシアの立場を説明する考えを示しました。