“マイナンバー問題” 全国知事会 政府の総点検について提言

相次ぐマイナンバーカードの問題を受けた政府の総点検について、全国知事会は、点検を担う自治体に費用負担が生じないよう適切な支援などを求める提言をまとめ、松本総務大臣に手渡しました。

全国知事会議は、25日から2日間の日程で山梨県北杜市で始まり、相次ぐマイナンバーカードの問題を受けて政府が進める総点検をめぐり、出席した知事が意見を交わしました。

この中で青森県の宮下知事は「総点検は市町村の職員に大変な負担がかかる。また誤りがあったら延々と続くのではないか。これが最後だということを明示してほしい」と述べました。

また島根県の丸山知事は「政府はヒューマンエラーと言うが、各地で発生しているのは仕事のさせ方がおかしいからで、反省すべきだ」と指摘しました。

そして、点検する項目を絞り込み自治体が過度の作業を強いられないように配慮することや、点検を担う自治体に費用負担が生じないよう適切な支援を行うことなどを求める提言をまとめ、会議に参加していた松本総務大臣に手渡しました。

松本大臣は「自治体の声もしっかりと聞きながら、関係省庁と連携して支援策を考えなければならない」と応じました。

また全国知事会は、政府が進める少子化対策でも、地方の財政負担が膨らむことがないよう、財政措置を求める提言をまとめました。

全国一律の子どもの医療費助成制度なども提言

全国知事会議で、開催県の山梨県の長崎知事は「人口減少や少子化、激甚化する自然災害など、山積する問題が待ったなしの状況だ。知見を結集し、課題への処方箋となる提言を取りまとめていきたい」とあいさつしました。

知事たちは、子ども・子育て政策や、脱炭素社会の実現に向けた取り組みなどについて意見を交わし、このうち、子ども・子育て政策について、千葉県の熊谷知事は「学校給食の無償化も、国の責任と財源による制度設計がなされるべきだ」と述べ、財政措置について具体的な方策を示すべきだという考えを示しました。

また、神奈川県の黒岩知事は「全国一律の子どもの医療費助成制度の創設が、先日閣議決定されたこども未来戦略方針に盛り込まれていない。誰もが安心して子育てできる社会を実現するためには非常に重要だ」と述べ、一致して国に対応を求めるよう呼びかけました。

そして、会議では、学校給食費の無償化など地方が行うサービスに対する財源措置や、全国一律で子どもの医療費助成制度を設けることなどを国に求める提言をまとめました。