小麦の先物価格が急騰 オデーサの港がロシア軍の攻撃受け

24日のシカゴ商品取引所では、ウクライナ南部オデーサ州のドナウ川沿いの港がロシア軍に攻撃されたことを受けて、国際的な小麦の先物価格が急騰しました。

24日のシカゴ商品取引所では国際的な取り引きの指標となる小麦の先物価格が急騰し、先週末の終値と比べた上昇率が8.6%にのぼりました。

黒海に面したウクライナ南部オデーサ州の地元知事がこの日、ルーマニアとの国境に近いドナウ川沿いの港がロシア軍の無人機に攻撃され、穀物倉庫が破壊されたとSNSに投稿したことなどを受けて、ウクライナ産の小麦の輸出に及ぼす影響への懸念が高まったためです。

シカゴ商品取引所の小麦の先物価格は先週、ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したことや、ロシア軍が穀物の積み出し港があるウクライナ南部の都市オデーサへの攻撃を続けていることで上昇傾向にありましたが、ドナウ川沿いの港が攻撃されたことでいちだんと上昇した形です。

市場関係者は「ドナウ川沿いの港から黒海を抜けて農産物を輸出するルートが期待されていただけに、攻撃を受けて懸念が高まった。ロシア軍の攻撃が激しくなれば地政学上のリスクからさらに小麦価格が上昇するおそれがあるとして市場では緊張が高まっている」と話しています。