“有事に南西諸島の住民を保護 シェルター整備検討” 官房長官

いわゆる「台湾有事」への懸念もある中、松野官房長官は訪問先の沖縄県石垣市で、有事の際に南西諸島の住民を保護するため、シェルターの整備などの検討を進めていく考えを示しました。

松野官房長官は、有事の際に南西諸島の住民をどう守るか検討するため、22日から3日間の日程でこの地域を訪れ、市長や町長らと会談したほか、重要な交通インフラである港などを視察しました。

松野官房長官は、一連の日程を終えたあと沖縄県石垣市で記者団に対し「各自治体の首長とは、住民避難に関する政府との連携強化について地域の実情などを聞くことができた」と述べました。

そのうえで「避難施設は人口や避難の手段、避難にかかる時間も考慮して、規模や堅ろう度なども議論していかなければいけない」と述べ、シェルターの整備の検討を進めていく考えを示しました。

また、離島からの避難は輸送手段の制約という難しさもあると指摘し、迅速な避難につなげるため、空港や港の機能拡充を支援していく意向を明らかにしました。

一方、地域の抑止力と対処力を高めることが住民の保護にもつながるとして、南西諸島の防衛体制の強化を図っていく方針も重ねて示しました。

都道府県の「緊急一時避難施設」

有事を想定した国民保護法に基づいて、都道府県にはミサイルによる爆風などから住民が身を守るための「緊急一時避難施設」を指定することが求められています。

内閣官房によりますと、去年4月時点で全国合わせて5万2490か所が指定されていて、このうち、避難の実効性が高まるとされる「地下施設」は1591か所となっています。

沖縄県内に「緊急一時避難施設」は935か所、このうち「地下施設」は6か所にとどまっています。

6か所の「地下施設」は、沖縄本島以外では、石垣市の1か所だけで、日本の最も西に位置し、台湾に近い与那国町にはありません。