陸上自衛隊 オーストラリアで地対艦ミサイルの発射訓練

陸上自衛隊は22日、オーストラリア軍とともに地対艦ミサイルの発射訓練を行いました。海洋進出を強める中国を念頭に、両国の連携を示すねらいなどがあるとみられます。

陸上自衛隊は、今月20日からオーストラリアで行われているアメリカやフランスなど13か国が加わった多国間訓練に参加しています。

22日はオーストラリア南部のジャービスベイで、「12式地対艦ミサイル」の発射訓練を行いました。

訓練では小型の船舶を標的とし、陸上自衛隊とオーストラリア軍の無人機が収集した標的の位置情報などをもとにミサイルを1発発射し、想定した場所に着弾したということです。

12式地対艦ミサイルは現在の射程は100数十キロですが、防衛省は今後改良を加えておよそ1000キロに伸ばす計画で、相手のミサイル発射基地などを攻撃できる「反撃能力」を行使するための装備として検討されています。

12式地対艦ミサイルの発射訓練がオーストラリアで行われたのは初めてで、海洋進出を強める中国を念頭に、両国の連携を示すねらいなどがあるとみられます。

陸上自衛隊第5地対艦ミサイル連隊の秋山洋三連隊長は、「細部の教訓などの評価はこれからだが、日豪の連携については十分に手応えがあると考えている。今回の訓練を通じて、オーストラリア軍の存在をとても心強く感じている」と話していました。