大谷翔平“エンジェルスでプレーオフに”トレード期限前に決意

大リーグの夏のトレード期限が8月1日に迫る中、アメリカのメディアの間では、ことしもエンジェルスが大谷翔平選手をトレードに出す可能性について伝える報道が連日、続いています。

こうした中、この日の試合後の取材の中で、大谷選手は改めて「エンジェルスでプレーオフに進出したい、そこで勝ちたい」という思いを強調しました。

およそ13分間にわたって行われた日米のメディアに対する囲み取材の中では、アメリカメディアを中心にトレードや去就に関する質問が相次ぎました。

中には「これがエンジェルスとして最後のマウンドになるかもしれないと頭によぎったか?」とか「球団からトレードはしないという話はされていないのか?」という質問を投げかける記者もいて、大谷選手は笑顔も見せながら「トレードに関しては気にしないようにしている」とか「何も話していない」などと、これまでと同じ回答を繰り返していました。

ただ、エンジェルスでプレーオフをねらうことへの思いを尋ねられると「もちろん僕は6年目ですし、このチームでプレーオフに行きたい、そこで勝ちたいという気持ちは変わらない。チームとして、どういう判断をするのかは僕には正直わからないし、それは僕の仕事の外のところ」と、まっすぐに答えました。

そして「やっぱり1試合でも勝ってワイルドカード争いを僅差でいくしかないので、またあした切り替えて勝つというのが、シンプルで必要なことなのかなと思う」と付け加え、チームとしては2014年以来、自身としては初めてとなるプレーオフ進出に向けた強い決意を示しました。

ことしのトレード期限は、アメリカ東部時間の8月1日の午後6時、日本時間では、8月2日の午前7時に設定されています。

エンジェルスは、オールスターゲーム後は、5勝2敗と勢いを取り戻しつつありますが、ワイルドカード争いでは、プレーオフ圏内まで4ゲーム差で、今後、チームがトレード期限までに連敗が続くようなことがあれば、トレードに関する報道がさらに過熱していくものと見られます。

一方で、トレード期限を前に、改めて取材に応じ「エンジェルスでプレーオフに行きたい」という決意を発信したことで、大谷選手みずから去就に関する雑音を振り払った形となりました。

大谷翔平【試合後 一問一答】

試合後、大谷選手が日米メディアの取材に答えた一問一答です。
来月1日のトレード期限が迫っていることもあり、試合後は去就に関する質問も相次ぎました。

Q.投球内容について?

A.んー、まあよくはなかったですね、結果からしても。まあ投げている感じは、指先含めそんなに悪くなかったですけど。やっぱり結果がすべてかなと。

Q.マメや爪は問題なかった?

A.きょうは比較的よかったですかね、はい。

Q.ホームラン4本打たれたが、ロケーションの問題なのか?

A.どうですかね。(相手が)絞ってる球種に対して、そのカウントで甘い球をしっかり打たれているという印象かなと思います。

Q.まわりはトレードだと騒いでいるが、もしかしてこれがエンジェルスとして最後の登板になるかなと頭をよぎったりしたか?

A.フフ…(笑)それはないですかね(笑)まあ、今現在ここに所属していますし。まだ全然(プレーオフに)いける位置にいると思っているので。まあ、トレードに関してはあまり気にしないようにというか、今できることをまずやりたいなと思います。

Q.エンジェルスと再契約したいという考えはあるか?話し合いはしているか?

A.今現在ということですか?

Q.来年以降、残留する可能性はあるか?

A.そういう席は全然設けてないというか。シーズンはシーズンでもちろん集中したいという意思はもう変わっていないので。シーズン中もそういった話はしていないですし。今チームとしてもいい状態だとは思うので、この流れを引き続きいけるように。個人としてはそんなに、そこは気にしていないかなと思います。

Q.球団から「トレードしないよ」という話はされてないのか?

A.いや、何も話していないですね。(GMの)ペリーともそんなに今現在、クラブハウスにしょっちゅう来ている、来ているというか見かけてもないですし。週に1回会うかどうかという感じなので、あんまりそういう話はしていないですね。

Q.4本ホームラン打たれた後、ベンチで笑顔も見られたが、マウンドで納得いかなくてもチームが勝てばどんな気持ちになるのか?

A.まあ勝ちは勝ちで、もちろんうれしいですし、反省するところは反省するところで個人的に。まあ、試合が終わった後、まあ今から終わってからすると思うので。次の登板に向けてもそうですけど。勝ちは勝ちでもちろん、それは別物かなと思います。

Q.ファンのMVPコールや、マウンドを降りる時にスタンディングオベーションもあった。

A.うれしいですし。まあ反面、それなりのピッチングをね、もちろんしたかったなという気持ちかなと思います。

Q.クラブハウスでほかの選手と「来年以降どこにいるの?」とか「残りたい」とか話をすることはある?

A.フフ(笑)まあジョークみたいな感じでふざけて、もちろん言ったりとかというのは。この時期はね、誰しも。まあ、うちは微妙なもちろん位置なので。買い手なのか売り手なのか分からないですし。まあジョーク程度には言うんじゃないかとは思います。

Q.打席でフォアボールが増えているが、自分をどうコントロールしているのか?

A.まあ、でも2021年はもっとひどかったんで。全然、なんて言うんですかね。んー、まあ慣れもそうですし。もちろん経験してきて、自分のバットをいいものにしていくっていうのはもう一貫して変わらないので。ボールの球は振らないし、ストライクに来たら球種問わずしっかり自分のスイングをする準備をするっていうだけなので。まあフォアボールはOKじゃないかなと、もちろん。それが今結果につながってますし、チームの勝ちにももちろんつながってるし。自分が得点することによって、そういうチャンスが増えてるので。それはいい傾向じゃないかなともちろん思いますけど。

Q.2年前はフラストレーションがあったと思うが、今はコントロールできている?

A.んー、どうですかね。もちろん、ね。ヒット打ちたいとか、そりゃ野球やってればフォアボールよりヒットのほうが楽しいし、もちろんホームランのほうがおもしろいしっていうのはあると思いますけど。まあフォアボールっていうのは、なんて言うんですかね、自分の打席の中でも1年間プレーしていく中でも1、2を争うくらい大事なものじゃないかなと思ってるので。そこはとれているうちはいいんじゃないかなと思うし。際どい球に対して我慢強く、打席をおくれてるっていうのは、まあいい傾向じゃないかなと思ってます。

Q.右手の中指の状態は、直近の2登板と比べてどうだったか?

A.比較的よかったですね。投げ心地もよかったですし。まあ、ちょっとなんて言うのかな。最初の方、ぬるっと入ってる印象がありましたけど。最後の方なんかはそれなりに出力も上げていけてたと思うので、よかったんじゃないかなとは思ってます。

Q.治療はアクリルを塗ったり、どんな治療をしていたのか?

A.まあ爪を強化する感じだったりとか。それはMLBに提出しないといけなかったりするので。治療を施して、提出して許可が下りればOKっていう感じですね。

Q.ホームラン4本打たれた中で、久々に白星がついたことは?

A.まあ星についてはあんまり気にはしてはないので。もちろん、つかないよりついたほうがいいとは思いますけど。きょうに関しては打線がよかったというだけなんで。まあ強いて言うなら、それなりに球数を抑えて、7回ぐらい、途中まで投げられたっていうのは唯一よかったところかなと思います。

Q.バッティングに関して、シーズン後半に入って3試合連続ホームランなどもあったが、オールスター明けから見え方など、何がよくなったのか?

A.いや、まあ調子が落ちてたとは思ってはないので。そりゃあ結果が出る時もあれば出ない時も、相手がいることなんで。それはこっちがいかにいい打席を送ってもそれが(ストライクゾーンの)隅っこに3球続けて投げられたらなかなか打てないものだと思うんで。そういうのをなるべく確率上げるために、さっきも言いましたけどボールは振らない。ストライクに来たボールをしっかり打つっていう作業になってくると思うので。その準備をやっぱりボールが多くなってきても、その甘く入ってきた1球を逃さない集中力がやっぱり常に必要かなと思います。

Q.自分ではエンジェルスでプレーオフ狙いたいという気持ちはどれだけ強いのか?

A.それは…、もちろん僕は6年目ですし。このチームでプレーオフに行きたい、そこで勝ちたいという気持ちは変わらないので。まあチームとして、どういう判断をするのかというのは僕には正直わからないですし。それは僕の仕事の外のところなので。チームとして勝ちたいなら、やっぱり1試合でも勝って。そういう、ワイルドカード争い、僅差でいくしかないので今の状況だと。正直どっち、さっきも言いましたけど(エンジェルスがトレードの)売り手になるのか買い手になるのかは僕は全然わからないことなので。またあした切り替えて勝つ、というのがいちばん。このチームで勝つためのシンプルで必要なことなのかなと思います。

Q.以前「ヒリヒリした9月を過ごしたい」と言っていたが、今はそういう感じなのか?毎試合プレーオフにつながるかもしれないという。

A.うん。まあ連勝中ですし、それは去年おととしは完全に売り手の側だったので。正直、チームの主力の選手が他チームにトレードされる、それをまあ見てくる側だったので。チームとしての士気はもちろん違いますよね、全然。それはことしみたいな位置にいるか、全くチャンスのない位置にいるかでは、ワンプレーワンプレーのこう、気迫というかね。そういうのはチームとしても変わってくるかなと思います。

Q.先日、ヤンキースのジャッジ選手が大谷選手を「見ていて楽しい」と、62ホームランの記録についても「記録は破られるためにある」と言っていた。それについてどう思うか。

A.うれしいです、フフ(笑)。

Q.もうちょっとしゃべって(笑)。

A.いやまあ、それ以上も以下もないというか(笑)。まあ、光栄なことですし。そうやって、世代のトップの選手。今の野球界のトップをけん引している選手に言ってもらえるというのはすばらしいことですし、励みになるんじゃないかと。シンプルにうれしいがいちばんですかね。