気象庁「線状降水帯」を予測できず “見逃し”3分の2にのぼる

ことしも、各地で大雨の災害が相次ぐ中、気象庁が「線状降水帯」を予測できず3分の2を見逃していたことが分かりました。気象庁は予測は非常に難しいとしたうえで情報が出ていなくても安心せず、ほかの防災情報も活用して早めの対応につなげてほしいとしています。

気象庁は発達した積乱雲が次々と連なる「線状降水帯」について、発生を予測した場合、半日ほど前までに警戒を呼びかける取り組みを去年6月から行っています。

ことしも、梅雨の時期を中心に「線状降水帯」の発生が相次いでいますが、気象庁が分析した結果、12回のうち8回予測できず、“見逃し”が3分の2にのぼったことがわかりました。

今月10日には福岡県や佐賀県など九州北部で大きな被害が出ましたが、このときも”見逃し”でした。

また、半日ほど前に予測した8回のうち、実際には発生しなかった“空振り”は半数の4回でした。

気象庁は、この取り組みを始める前“見逃し”が3回に2回程度、“空振り”は4回に3回程度としていて、想定どおりだとしています。

そのうえで「『線状降水帯』の予測は非常に難しく、今後も“見逃し”が起きると考えられる。予測が出ていなくても安心せず、ほかの防災情報も活用して早めの対応につなげてほしい。また、発生が予測された多くのケースで大雨になっているため、情報が出たら一層警戒してほしい」と話しています。