水泳 男子高飛び込み 玉井陸斗 パリ五輪の代表内定確実に

福岡市で行われている水泳の世界選手権、飛び込みの男子高飛び込み準決勝で、玉井陸斗選手が7位に入って22日の決勝に進み、来年のパリオリンピックの代表内定を確実にしました。玉井選手は、決勝で順位が確定した時点で2大会連続のオリンピック代表に内定します。

福岡市で行われている水泳の世界選手権は大会8日目、上位12人で争う決勝に出場できればパリオリンピックの代表に内定する飛び込みの男子高飛び込みの準決勝が行われ、去年の世界選手権でこの種目、銀メダルを獲得し、予選を12位で通過した玉井選手が出場しました。

玉井選手は、2回目の演技まではトップでしたが、3日前に練習で腰を痛めた影響が出て3回目で入水が乱れて8位に順位を下げると、4回目の逆立ちの状態で飛び、2回半ひねりながら2回まわる「6245D」でも精彩を欠いて50.40と得点を伸ばせず11位に後退しました。

それでも最後の6回目は、後ろ向きに踏み切って2回半ひねりながら2回半回る「5255B」を入水まで決めて86.40をマークし、合計得点を427.70として7位となりました。この結果、玉井選手は22日の決勝に進み、パリオリンピックの代表内定を確実にしました。

決勝で順位が確定した時点で代表内定となり、玉井選手が内定すれば東京大会に続いて2大会連続のオリンピック出場となります。

男子高飛び込みには、去年の世界選手権でこの種目、12位だった大久保柊選手も出場しましたが、29位で予選敗退となりました。

玉井陸斗「すごくほっとした」

玉井陸斗選手は「まずはすごくほっとしたという気持ちが強くて、あとは最後までやりきれてよかったと思う」と涙ながらに話しました。

玉井選手は、3日前に陸上でのウォーミングアップ中に腰を痛めたということで、「予選からずっと痛くて、準決勝でも痛かったが何とかふんばっていた」と話したうえで、5回目の演技について「入水の時に腰をそってしまってぎっくり腰のような感じになってしまった」と状態が悪化したと説明しました。

それでも最後の演技は「横から落ちるかもしれないと考えたがとりあえず頑張ってやろうと覚悟を決めた」と振り返り、22日の決勝に向けては「できることはやらないといけないので頑張りたい」と話しました。

女子板飛び込み三上紗也可 パリ五輪代表に内定

また、女子板飛び込みの決勝には、準決勝を3位で通過し決勝で順位が確定した時点でパリオリンピックの代表に内定する三上紗也可選手が出場しました。

2回目の演技を終えた時点で1位でしたが、3回目の演技で前向きに踏み切って後ろ向きに2回半回る「305B」でやや入水が乱れ、58.50と4位となりました。

4回目の演技は、世界でもできる女子選手が少ない大技、前向きに踏み切り、前向きに2回半回って2回ひねる「5154B」もわずかに乱れ5位に後退すると、その後も得点を伸ばせず、合計得点305.25で7位でした。

この結果、三上選手は日本水泳連盟が定めた条件を満たして代表に内定し、東京大会に続いて2大会連続のオリンピック出場を決めました。

“高い技術力が持ち味”の三上紗也可選手

三上選手は鳥取県出身の22歳。2018年に高飛び込みの大会でけがをしたことをきっかけに板飛び込みに専念しました。

高い技術力が持ち味で、女子では世界でもできる選手が少ない大技、前向きに踏み切って2回ひねりながら前向きに2回半回る「5154B」を決めるなど実力を高めてきました。

去年の世界選手権では、金戸凛選手と出場した女子シンクロ板飛び込みで日本選手では初めてのメダルとなる銀メダル獲得の快挙を成し遂げました。

一方、個人ではおととしの東京オリンピックの板飛び込みで準決勝敗退、その後も国際大会の決勝で1回のミスでメダルを逃すなど、安定感が課題となっていましたが大会に出場し続けて経験を重ねることで克服してきました。

三上紗也可「力を全部出し切れなかった」

三上紗也可選手は「自分の最高の持っている力を全部出し切れなかった。悔いが残る演技だったので、悔しい気持ちがいっぱいだ」と率直な思いを話しました。

決勝にあたっての心境については「パリオリンピックの内定確実というのがあったのですごく安心した気持ちがあり、決勝を迎えた朝や昼は体がふわふわして、注意散漫になっていた。集中できていなかった」と反省していました。

その上で、パリオリンピックに向けては「1年間やってきたことはむだではなかったが、踏み切りの技術もまっすぐ入水する技術も、メンタルも全部足りていないので、強化していきたい」と気持ちを切り替えていました。