“時速160キロ超で追突” 遺族が危険運転致死罪の適用訴える

ことし2月に宇都宮市で時速160キロを超える速度で車を運転し死亡事故を起こしたとして過失運転致死の罪で起訴された被告について、亡くなった男性の遺族が21日に都内で記者会見し、より刑が重い危険運転致死の罪を適用すべきだと訴えました。

ことし2月、宇都宮市の国道で乗用車に追突されオートバイに乗っていた男性が死亡した事故では、20歳の被告が過失運転致死の罪で起訴され、裁判が行われています。

この事故について、亡くなった佐々木一匡さん(当時63)の妻の多恵子さんは、時速160キロを超えるスピードで運転していたのに過失運転致死罪が適用されるのはおかしいとして、より刑の重い危険運転致死罪に変更するよう求めています。

これまでにインターネットなどを通じて賛同する署名が6万筆以上寄せられているということで、記者会見した多恵子さんは「時速160キロは危険運転ではないのか。さらに多くの人にこの問題を知ってほしい」と訴えました。

会見にはおととし2月に大分市で起きた事故の遺族も参加し、支援を呼びかけました。

この事故では時速194キロで車を運転していた会社員が当初、過失運転致死罪で起訴されましたが、遺族が厳罰を求める署名を提出し、検察の再捜査を経て、危険運転致死罪に変更されています。

佐々木多恵子さんの代理人を務める弁護士は「宇都宮も大分も事故はまっすぐな道路で起きていて検察は車が制御できる状態だったと判断したが、直線道路ならどれだけスピードを出しても危険運転にはあたらないというのはおかしな解釈だ。交通量などそのほかの道路状況も考慮して法律を適用すべきだ」と話していました。