京王線 無差別襲撃事件 被告に懲役25年を求刑

おととし、走行中の京王線で乗客が切りつけられ、車内が放火された事件の裁判で、殺人未遂などの罪に問われている被告に対し検察は「走行時間が長く逃げることができない特急電車を選んで計画的に犯行に及んだ」として懲役25年を求刑しました。

無職の服部恭太被告(26)はおととし10月、東京 調布市を走行していた京王線の車内で、当時72歳の男性をナイフで刺して大けがをさせたほか、まき散らしたライターオイルに火をつけ、乗客12人を殺害しようとしたとして、殺人未遂や放火などの罪に問われています。

21日の裁判で検察は「人出の多い夜に、走行時間が長く逃げることができない特急電車を選んで計画的に犯行に及んだ。逃げ遅れれば多数の死傷者が出る危険性があった」として懲役25年を求刑しました。

法廷では、被害者の心情をまとめた文書も読み上げられ、この中で当時21歳の女性は「安心して電車に乗れなくなり、普通に毎日を過ごすことができない。被告には一生社会に出てこないでほしい」と訴えていました。

一方、弁護側は「ライターを投げた時点で乗客は危険な場所から逃げているか、逃げていなくても死亡する危険性はなかった」として乗客12人に対する殺人未遂罪は成立しないと改めて主張し、懲役12年程度が相当だと述べました。

最後に服部被告は「言うべきことは被告人質問で話したので改めて話すことはない」と述べました。

判決は今月31日に言い渡される予定です。