ビッグモーター元社員「事故形跡ある車を顧客に隠し販売」証言

中古車販売会社の「ビッグモーター」をめぐる問題で、元社員の男性がNHKの取材に応じ、会社が事故歴のない車しか販売しないと宣伝している中、「自分の店では明らかに事故の形跡がある車を顧客に隠して販売していた」などと証言しました。

「ビッグモーター」は、自社が販売する中古車について、ホームページなどで、『全車事故歴無し。安全性に不安がある車は販売いたしません』などと宣伝しています。

およそ10年間、「ビッグモーター」の店舗の工場などで働いていた元社員の男性は、NHKの取材に対し、「自分の店では事故の形跡がある車でも、顧客に事実を隠したまま販売していた」などと証言しました。

中には、販売用に仕入れた車に、溶接部分の打ち直しなど、明らかな事故の形跡が見つかったケースもありましたが、すでに納車の予定が決まっていて、営業職の社員は、「あちゃー、見なかったことにしよう」などと話し、車はそのまま販売されたということです。

勤めていた店では、同様のケースが複数回あったとしています。

男性は、保険金を水増しするため、修理で預かった顧客の車の部品を故意に破損させるなどの行為についても、「自分も行い、部下にも指示していた」と明かしたうえで、「ノルマを果たさなくてはいけない、降格はさせられたくないと、自分を含めた社員みんながおかしくなってしまった。見せかけの数字ばかりを追い求めていた結果だ」と話していました。