新型コロナ 全国の感染状況 43都道府県で前の週より増加

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、今月16日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が11.04人となり、前の週の1.21倍となっています。43の都道府県で前の週より増加していて厚生労働省は「感染者数の伸び幅は横ばいで、全国的には緩やかな増加傾向が続いているが、特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多く、引き続き感染状況を注視したい」としています。

厚生労働省によりますと、今月16日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から9042人増えて5万4150人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数が11.04人となり、前の週の1.21倍となっています。

前の週から増加が続くのは15週連続となります。

都道府県別では多い順に
▽沖縄県が31.83人
▽佐賀県が23.05人
▽宮崎県が20.79人
▽鹿児島県が19.08人
▽長崎県が16.66人などとなっていて、43の都道府県で前の週より増加しました。

このほか、今月16日までの1週間に新たに入院した人は全国で6952人で、前の週と比べて632人の増加となりました。

厚生労働省は全国の流行状況について「感染者数の伸び幅は横ばいで、全国的には緩やかな増加傾向が続いているが、特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多い。一方で、沖縄県では2週連続で減少となった。各都道府県には夏の感染拡大に備えて医療機関の間の連携などの準備を進めるよう呼びかけていて、引き続き感染状況を注視したい」としています。

専門家「5類に移行して緩やかな増加続いている」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「感染症法上の扱いが5類に移行して2か月近くの間、全国的にみると緩やかな増加が続いている。沖縄以外の地域ではそれほど急激な増加とはなっていない。東京では新型コロナで医療のひっ迫が迫っている状況ではないが、小児の感染症やお年寄りの熱中症が重なって、救急医療の現場では少し負荷がかかっている」と分析しました。

今後の見通しについては、夏休みになって人が旅行やお盆の里帰りで移動すること、クーラーをつけていて窓を開けにくく、換気を行いにくいことなど夏場は感染が広がりやすい状況が重なるとしたうえで「過去3年間、夏に大きな流行があり、この夏も注意が必要だ。これまでの夏は新しい変異ウイルスが出てきてその急激な増加で感染が拡大したが、いま流行しているXBB株は広い意味ではオミクロン株の亜型で全く新しい変異ウイルスというわけではない。ただ、第8波から時間がたって免疫も下がっているので、どこまで感染が広がるのか、慎重に見ていく必要がある」と指摘しました。

そして「私たちの周りにはまだ新型コロナウイルスが潜んでいて、ちょっと油断すると広がってしまう。お年寄りや基礎疾患のある人、免疫不全の人が感染してしまうと重症化リスクが高まるので、そういった人を守る行動が大切だ。お年寄りと接する場合や換気の悪い場所にいるときはマスクを着用するといった判断が大事になる。帰省を予定していても、体調が悪いときにはコロナかもしれないと思って自宅に待機するなど、お年寄りを感染させない行動が大事だ」と述べました。

【1医療機関当たりの平均患者数】

▽沖縄県は31.83人
▽佐賀県は23.05人
▽宮崎県は20.79人
▽鹿児島県は19.08人
▽長崎県は16.66人
▽大分県は16.47人
▽熊本県は15.93人
▽愛媛県は15.7人
▽三重県は15.53人
▽愛知県は14.73人
▽香川県は14.66人
▽和歌山県は14.43人
▽岐阜県は13.87人
▽高知県は13.73人
▽千葉県は13.18人
▽石川県は13.08人
▽福岡県は12.93人
▽鳥取県は12.69人
▽滋賀県は11.83人
▽山口県は11.12人
▽広島県は11.12人
▽奈良県は10.89人
▽徳島県は10.89人
▽静岡県は10.77人
▽兵庫県は10.74人
▽京都府は10.69人
▽山梨県は10.54人
▽茨城県は10.33人
▽大阪府は10.22人
▽宮城県は10.12人
▽埼玉県は9.54人
▽岡山県は9.29人
▽島根県は8.74人
▽北海道は8.45人
▽福島県は8.37人
▽東京都は8.25人
▽長野県は8.19人
▽神奈川県は8.14人
▽新潟県は7.88人
▽群馬県は7.18人
▽岩手県は6.98人
▽福井県は6.9人
▽栃木県は6.68人
▽富山県は6.04人
▽山形県は5.37人
▽秋田県は4.35人
▽青森県は4.05人