プロ野球オールスター第2戦 万波のホームランなどで全パが勝利

4回には4番に入った万波選手が3年前の大リーグのサイ・ヤング賞投手で今シーズンからDeNAに加入したオール・セントラルの3人目、バウアー投手から2試合連続となるソロホームランを打つなど、この回2点を加えました。

対するオール・セントラルは3点を追う5回に先頭の4番・巨人の岡本和真選手がツーベースヒットで出塁し、続くDeNAの牧秀悟選手がタイムリーヒットを打ち、WBC＝ワールド・ベースボール・クラシックでも活躍した2人の連打で1点を返しました。

その後は、オール・パシフィックが小刻みに追加点を奪って試合を優位に進め、6対1で勝っておととしの第2戦から5連勝としました。

MVPにはホームランを含む2安打と活躍した日本ハムの万波選手が選ばれました。

試合では1回にオール・セントラルの九里投手がオール・パシフィックの1番、オリックスの杉本裕太郎選手に対して初球に背後を通過するボールを投げ、杉本選手がマウンドに詰め寄ったあとに同い年の2人が抱き合って仲直りをするオールスターならではのパフォーマンスもあり、8年ぶりに開催された広島のファンを楽しませていました。

オール・パシフィックの4番・センターで先発出場した日本ハムの万波中正選手は、2試合連続となるホームランを含む2安打の活躍で初出場でMVP＝最優秀選手に輝きました。

万波選手は試合後の表彰式で「すごい先輩たちがいる中で4番で使ってもらい感謝していて、最高の結果が出てよかった。最高です」と笑顔で話していました。

第4打席でファーストへのファールフライとなったことについては「景気よくもう1本打とうと思ったが、力んでだめだった」と苦笑いでした。

そのうえで「この活躍を弾みにして後半戦でいい戦いができるようにしたい。パ・リーグもセ・リーグもプロ野球全体をこれからも応援してもらえればうれしい」と話していました。

第2戦でオール・セントラルの3人目として登板したDeNAのバウアー投手が、対戦する相手バッターに球種を伝えてから投げる異例のピッチングを見せ、球場をわかせました。

3年前の大リーグのサイ・ヤング賞投手で今シーズンからDeNAに加入したバウアー投手は、オールスターへの出場を熱望し、自身のツイッターなどでも投票をアピールして、両リーグから最後の1人を再びファン投票で選ぶ「プラスワン投票」で選出されました。

バウアー投手は出場が決まったあとオールスターゲームでは、相手のバッターにすべて球種を伝えたうえで、三振をねらうことを宣言していて、平成18年に阪神の藤川球児投手が西武のカブレラ選手と日本ハムの小笠原道大選手に、全球ストレートを予告したうえで連続で空振り三振を奪った、オールスターゲームの名シーンを思い起こさせるような異例の勝負に注目が集まりました。

バウアー投手は、4回から3人目としてマウンドに上がり、先頭のオール・パシフィックの4番、日本ハムの万波中正選手に対し、予告どおり初球からグラブの動きで球種を伝えた上で投げ込みましたが、7球目のスライダーを捉えられ、2試合連続となるソロホームランを打たれました。

それでも、マウンドから万波選手に笑顔で拍手を送る様子も見られました。

バウアー投手はこのあとも球種を伝えてのピッチングを続け19日の第1戦でホームランを打ち、MVP＝最優秀選手賞に選ばれた5番のソフトバンク・柳田悠岐選手を155キロのストレートで内野ゴロに打ち取りましたが、続くバッターに連続ヒットを許すなど、さらに1点を失ってバウアー投手は1回24球を投げて2失点でマウンドを降りました。

来日1年目でオールスターゲームに初めて出場し、異例とも言える球種を予告してのピッチングで1回を2失点だったDeNAのバウアー投手は「マウンドでは先にどの球種を投げるのか伝えて投げたがとても楽しかった。オールスターゲームは観客の雰囲気もエキサイティングだった」と振り返っていました。

そのうえで、後半戦に向けて「ベイスターズのファンは最高で後半戦も勝つためにはファンの力が必要なのでたくさん応援してほしい」と話していました。

オール・セントラルの先発、広島の九里亜蓮投手は、「初めて出たオールスターの登板する場所が本拠地でうれしかったので、ずっと記憶に残る試合になったと思う。野球が好きだなと改めて実感したので、もっと自分のレベルを上げてまた出場できる機会があれば出たい」と振り返りました。

また、1回のオール・パシフィックの1番、オリックスの杉本裕太郎選手とのパフォーマンスについては、「同級生ですし、大学のときも同じリーグで対戦していたので『なにかおもしろいことをしたいよね』と話していた。ちょっと爪痕は残せたかなと思いますが、あそこが一番緊張しました」と笑顔で話していました。