大相撲名古屋場所 12日目 錦木と北勝富士 平幕2人がトップに

大相撲名古屋場所は12日目、1敗で単独トップだった平幕の錦木が新入幕の湘南乃海に敗れ、2敗どうしの一番で平幕の北勝富士が関脇 豊昇龍に勝ちました。これでトップは平幕の2人が並ぶ展開となりました。

名古屋場所の12日目は、1敗を守り優勝争いで単独トップに立つ錦木が新入幕の湘南乃海と対戦しました。

立ち合いで強く当たりきれなかった錦木は湘南乃海が得意とする左四つに持ち込まれたため、右腕を脇にねじこんで体勢を整えようとしました。

しかし、それを許さなかった湘南乃海に前に圧力をかけられ小手投げで敗れました。

2敗どうしの一番となった平幕の北勝富士と関脇 豊昇龍の対戦では北勝富士がまわしを与えずに積極的に前に出て押し出しました。

このほか、大関昇進をかける関脇陣のうち、大栄翔は玉鷲に、若元春は大関 霧島にそれぞれ敗れて4敗目を喫しました。

これで2敗の平幕、錦木と北勝富士がトップで並び、3敗で豊昇龍と新入幕の伯桜鵬が追う展開となりました。

中入り後の勝敗です。

▽十両の欧勝馬に大翔鵬は、欧勝馬が「押し出し」。

大翔鵬は負け越しました。

▽碧山に金峰山は、碧山が「送り出し」。

▽妙義龍に宝富士は、妙義龍が「寄り切り」で勝ちました。

▽千代翔馬に隆の勝は、千代翔馬が「はたき込み」。

▽武将山に佐田の海は、佐田の海が「上手投げ」。

▽錦富士に竜電は、竜電が「押し出し」で勝ち越しました。

▽新入幕の豪ノ山に高安は、豪ノ山が「押し出し」。

▽琴恵光に北青鵬は、琴恵光が「上手投げ」。

▽王鵬に琴勝峰は、王鵬が「突き落とし」。琴勝峰は負け越しました。

▽阿武咲に剣翔は、剣翔が「押し倒し」。

▽平戸海に翠富士は、平戸海が「寄り切り」。

▽明生に正代は、明生が「外掛け」。

▽御嶽海に宇良は、宇良が「とったり」で勝ちました。

▽新入幕の湘南乃海に錦木は、湘南乃海が「小手投げ」。錦木は2敗に後退しました。

▽翔猿に20日から再出場の朝乃山は、朝乃山が「すくい投げ」で勝って5勝目をあげました。

▽遠藤に琴ノ若は、琴ノ若が「すくい投げ」で勝って勝ち越しを決めました。

▽阿炎に新入幕の伯桜鵬は、伯桜鵬が「押し出し」で9勝目を挙げました。

▽大栄翔に玉鷲は、玉鷲が「はたき込み」で勝ちました。

▽北勝富士に豊昇龍は、北勝富士が「押し出し」で勝ちました。

▽新大関 霧島に若元春は、霧島が「寄り切り」で勝ちました。

若元春 4敗目喫し大関昇進とされる勝ち星の目安に届かず

大相撲では大関昇進についての明確な基準はありませんが、三役で臨んだ直近3場所の勝ち星の合計、33勝が目安とされています。

3人の関脇はいずれも先場所までの2場所でふた桁10勝以上を挙げていて、目安の33勝まで大栄翔が11勝、豊昇龍と若元春が12勝として名古屋場所に臨みました。

このうち、若元春は12日目の20日、4敗目を喫して目安には届かなくなりました。

また、豊昇龍が9勝3敗、大栄翔が8勝4敗で千秋楽までの残り3日、すべて勝たなければ目安には届きません。

力士の談話

2敗目を喫した錦木は「終わったことは終わったこと。考えすぎても意味がない。一応まだトップには立っているのであすからまた頑張ればいいのではないか」と気持ちを切り替えていました。

そのうえで験直しの方法を問われると「お酒ですかね」と笑顔で答えていました。

錦木を破って勝ち越しを決めた新入幕の湘南乃海は「どんな相手にも勝てるのは自信になった。一番一番信じて頑張る」と話していました。

北勝富士は2敗を守って再びトップに並び「我慢して我慢して、細かく細かく圧力を与えられたのでよかった。しぶとく取れたのではないか」と振り返りました。

そのうえで優勝争いに向けては「とりあえずこつこつと。気負っても仕方ない。自分らしく取っていきたい」と話しました。

一方、敗れた豊昇龍は取材に応じませんでした。

4敗目を喫した大栄翔は「だめだった。1日一番でやる」とことば少なでした。

大栄翔を破った幕内最年長38歳の玉鷲は「上位と当たってチャンスをつかめてよかった。上に勝つのは気持ちいい」と満足そうでした。

若元春は4敗目を喫し、大関昇進の目安とされる三役として臨んだ直近3場所の勝ち星の合計「33」に届かなくなりましたが「自分では大関昇進を目指す場所とは思っていなかった。関脇としてしっかり残り3番、相撲を取り切れるようにしっかりやっていきたい」と話しました。

左腕のけがで休場していた大関経験者の朝乃山は再出場して白星を挙げ「土俵に上がれば痛くないが終わったら痛みもある。悪化するリスクも覚悟の上で取っている。出場するからには勝ちたい気持ちはあるので来場所につなげていきたい」と話していました。