京王線 無差別襲撃事件 被告「申し訳ないと思う」被害者に謝罪

おととし、走行中の京王線で乗客が切りつけられ、車内が放火された事件の裁判で、殺人未遂などの罪に問われている被告は、被害者に対し「申し訳ないと思う」と述べて謝罪の気持ちを初めて明らかにしました。

無職の服部恭太被告(26)はおととし10月、調布市を走行していた京王線の車内で、当時72歳の男性の胸をナイフで刺して大けがをさせたほか、まき散らしたライターオイルに火をつけ、乗客12人を殺害しようとしたとして、殺人未遂や放火などの罪に問われ、殺人未遂については一部争う姿勢を示しています。

裁判では20日も被告本人への質問が行われ、被害者に対し「申し訳ないと思っている」と述べ、謝罪の気持ちを初めて示しました。

これまで謝罪を申し出なかった理由を問われると「死刑になるかもしれないと思っていたので謝罪や反省は死刑から遠ざかる行為だと思った」と説明しました。

また「どれだけの人に迷惑や苦しみを与えるか痛感したので、事件を起こすべきではなかった」として、後悔していると明かしました。

一方で、弁償については「被害者が求めているなら応じる気持ちはあるが金銭的な余裕はない」と述べました。

裁判は21日、検察による求刑などが行われ、法廷での審理が終わります。