小麦の先物価格が急騰 ロシアの合意履行停止や“警告”を受け

ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したのに続き、黒海でウクライナの港に向かう船舶を軍事物資を輸送している可能性があるとみなすとしたことを受けて、19日のシカゴ商品取引所では国際的な小麦の先物価格が急騰しました。

19日のシカゴ商品取引所では国際的な取り引きの指標となる小麦の先物価格が急騰し、前日の終値と比べた上昇率は一時、8.9%にのぼりました。

ロシアがウクライナ産の農産物輸出をめぐる合意の履行を停止したのに続き、黒海でウクライナの港に向かう船舶を軍事物資を輸送している可能性があるとみなすとしたことを受けて、世界有数の小麦の輸出国、ウクライナからの供給が滞るとの見方が強まったことが主な要因です。

ロシアは18日に続いて19日も、ウクライナ南部の港湾都市で農産物を積み出す港があるオデーサ付近に攻撃を行ったと発表し、市場ではロシア軍の攻撃が小麦の輸出に及ぼす影響に懸念が高まっています。

市場関係者は「黒海でウクライナの港に向かう船がロシア軍から攻撃されるおそれがあるとして、投資家の間で地政学的なリスクへの懸念が高まっており、小麦の価格がどこまで上昇するかは不透明だ」と話しています。