米中 COP28に向け 温室効果ガス排出削減へ集中的協議を継続

アメリカで気候変動問題を担当するケリー特使が中国での一連の会談を終えて会見し、ことし11月から始まる国連の気候変動対策の会議「COP28」に向けて、温室効果ガスの排出削減のため、今後、数週間、中国側と集中的に協議を続けることで合意したことを明らかにしました。

アメリカのバイデン政権で気候変動問題を担当するケリー特使は、今月16日から中国の首都 北京を訪れ、李強首相や韓正国家副主席などと会談しました。

19日夜に電話で記者会見したケリー特使は一連の会談について、「気候危機に対応するため、緊急事態であるという共通の認識をもって2国間の取り組みを続けていくことで一致した」と述べました。

そして、ことし11月から始まる国連の気候変動対策の会議「COP28」に向けて、メタンなどの温室効果ガスの排出削減のための取り組みなどについて、今後、数週間、中国側と集中的に協議を続けることで合意したことを明らかにしました。

一方、中国外務省によりますと、韓副主席も「互いの核心的な懸念を尊重し、十分な意思疎通を行うことを基礎にしたうえで、気候変動などの世界的な課題に対応するため、新たな貢献をすることを望む」と述べました。

台湾などをめぐり、米中の対立が続く中、アメリカとしては中国側と利害が一致しやすい気候変動の分野をきっかけに、関係の安定化を図りたい考えで、両国の首脳会談の実現につなげられるかが注目されます。