水泳世界選手権 乾友紀子 AS女子ソロ2種目で連覇 日本選手初

福岡市で行われている水泳の世界選手権、アーティスティックスイミングの女子ソロのフリールーティンで、乾友紀子選手がテクニカルルーティンに続いて金メダルを獲得しました。ソロ2種目での世界選手権連覇は日本選手では初めて、海外勢を含めても2人目の快挙です。

水泳の世界選手権は大会6日目、アーティスティックスイミングの女子ソロのフリールーティンの決勝に、テクニカルルーティンで大会連覇を果たした32歳の乾選手が出場しました。

予選をトップで通過した乾選手は、日本神話に登場する大蛇「八岐大蛇(やまたのおろち)」をテーマに、冒頭の入水から大蛇が動き回る姿などを豊かに表現したほか、連続した足技もミスなく演じきり、254.6062をマークして、2位に25ポイント余りの差をつけて金メダルを獲得し、テクニカルルーティンに続いて大会連覇を達成しました。

アーティスティックスイミングのソロはオリンピック種目ではありませんが、2種目での世界選手権連覇は日本選手では初めて、海外勢を含めても2人目の快挙です。

また、今大会から新たに設けられた男子ソロのフリールーティンの決勝には佐藤陽太郎選手が出場し、一部でミスを取られて得点を伸ばせず、167.9709で4位でした。

乾「必死にやってきたので報われてよかった」

乾友紀子選手は表彰式のあと、「いろんな意味でのプレッシャーや不安があったので、ほっとしたという気持ちだ」と率直な思いを語りました。

海外勢を含めても2人目となるソロ2種目での世界選手権連覇については、「そこまでは考えていなかったが、去年、金メダルを獲得して、『ことしも』と皆さんが思っていたと思うが、心の中ではそんな簡単なことじゃないと思っていたところもあって、それをかなえるために1年間必死にやってきたので報われてよかった」と涙ぐみながら話しました。

決勝の演技については、「演技は振り返りたくない。決してよかったとはいえない出来だと泳いでいて思ったけど、結果がよかったのでよかった」と苦笑いで話しました。

ソロに専念した決断については「個人としてどう評価されるか挑戦してみたいという思いがあったので、すごく集中して自分のことだけを考えて追求していく日々はすごく充実していた」と振り返りました。

二人三脚で指導をしてきた井村雅代コーチに対しては、「金メダルをとれたのは世界一のコーチのおかげだと思っているので、とても感謝している」と話しました。

一方で、自身の今後については、「福岡での世界選手権のことまでしか考えていなかったので、泳ぎ終えてから考えようと思っていた」と話すにとどめました。