5年前のフランス人女性 行方不明 国連が日本に情報提供を要請

国連は、5年前に栃木県日光市を観光中に行方がわからなくなったフランス人の女性について、日本政府に対して情報の提供を要請しました。外務省は「日本政府として回答を行っている」としています。

フランス人のティフェヌ・ベロンさん(当時36)は、5年前の2018年7月、観光で訪れていた栃木県日光市内の宿泊先から徒歩で外出したあと行方がわからなくなっていて、警察は事件と事故の両面から捜索を行っています。

拉致問題などを取り扱う国連の強制失踪委員会は、ことし4月までに日本政府に対し、ベロンさんが行方不明になっていることについて情報の提供などを緊急措置として要請しました。

委員会が公開した資料によりますと、フランスの当局が誘拐事件として捜査を始め、日本の警察に2018年とおととしの2回にわたって携帯電話のデータ収集などを要請しましたが、回答を得られなかったとしています。

このため委員会は、強制失踪条約に基づいて日本政府に対して情報の提供とともに、フランスの当局と最大限連携するよう要請したということです。

外務省は「日本政府としてしかるべく回答を行っている。栃木県の警察において事案の認知の当初から、事件、事故の両面から行方不明者の捜索を行っているところであり、引き続き、発見に向けた捜索が行われると承知している」とコメントしています。