外国人旅行者 ことし上半期に4年ぶり1000万人超 お目当ては?

ことし1月から先月までの上半期に日本を訪れた外国人旅行者は1071万人余りとなりました。上半期で1000万人を超えるのは、新型コロナの感染拡大前の2019年以来、4年ぶりです。

日本政府観光局によりますと、ことし上半期に日本を訪れた外国人旅行者は推計で1071万2000人でした。

1000万人を超えるのは新型コロナの感染が拡大する前の2019年以来、4年ぶりで、水際対策の緩和などを追い風にそのときのおよそ64%の水準まで回復しました。

国や地域別では
▽韓国が312万8500人と最も多く、次いで
▽台湾が177万600人、
▽アメリカが97万2200人、
▽香港が90万9700人となっています。

また先月、日本を訪れた外国人旅行者は推計で207万人余りでした。
1か月の数字としては、2020年1月以来、3年5か月ぶりに200万人を超えました。

このうち、アメリカからの旅行者は、学校で夏休みが始まったことや、アジアへの旅行人気の高まりなどで感染拡大前よりおよそ30%増え、全体の数字を押し上げました。

一方、中国では日本への団体旅行の制限が続いているものの、すでにビザを取得している人などを中心に個人の旅行者が増えているということで回復傾向が続いています。

何しに日本へ?

19日の成田空港は、午前中から大きなスーツケースを持った海外からの観光客が大勢到着し、思い思いに国内の目的地に向かう姿が見られました。

富士山/京都/広島

ベルギーから家族で到着した女性は「ずっと来たかったですが、コロナで来ることができず、今回が初めての日本旅行です。美しい自然を見るのが楽しみで、20日間かけて富士山に登ったり京都や広島に行ったりする予定です」と話していました。

寿司/ラーメン/和牛

イタリアから到着した男性は「先日退職したので、旅行先として初めて日本を選びました。日本の伝統に興味があるので京都や金沢の街をめぐる予定です。食べ物も楽しみで、寿司だけでなくラーメンや和牛も食べてみたい」と笑顔を見せていました。

アニメ/カラオケ

5年前まで日本の大学で学んでいたというブラジルの女性は「日本が大好きで、コロナによる制限がなくなったので再び来られてうれしいです。アニメが好きなので、秋葉原に行ったり、カラオケに行ったりしたい」と話していました。

ジブリ美術館/東京ディズニーランド

韓国から来た男子高校生は「スタジオジブリのファンです。コロナが終わったので『ジブリ美術館』に行くことができるのがうれしい」と話しました。また、台湾から家族で到着した女子中学生は「東京ディズニーランドに行く予定で、とても楽しみです」と話していました。

観光庁長官 住民生活への影響を懸念 持続可能な観光地域へ

観光庁の高橋一郎長官は、会見で今後の旅行需要について「多くの観光地が昨年よりもたくさんの旅行者でにぎわうと考えている。地域経済の活性化や、これまで厳しい環境に置かれていた観光業界の経営状況の改善などが一層期待できる」と述べました。

一方で、外国人旅行者が増えるなか、一部の地域で混雑やマナー違反によって住民生活への影響が出たり、旅行の満足度が下がるといった懸念があるとしています。

そのうえで、高橋長官は「地域によっては、混雑状況を可視化して、比較的空いている時間や場所に観光客を誘導したり、掲示やSNSでマナーの啓発を行ったりしている。観光庁としてもこうした取り組みを促進し、地方への誘客もふくめて持続可能な観光地域づくりと需要の分散に資する政策をしっかり進める」と述べました。