NFL 初の日本選手に挑む 横綱目指せる逸材 21歳 花田秀虎

大谷翔平選手など多くのアスリートがアメリカのプロリーグで活躍していますが、アメリカの4大スポーツといわれる競技が
▽MLB=大リーグ
▽NBA=アメリカプロバスケットボールリーグ
▽NHL=北米プロアイスホッケーリーグ
▽NFL=アメリカンフットボールリーグです。

この中で唯一、まだ日本選手が誕生していないのが、アメフトのNFLです。その舞台に立つことが期待されているのが、競技を始めて、わずか1年の花田秀虎選手、21歳です。

横綱を目指せる逸材“もっと世界に臨みたい”

花田選手は18日の記者会見で「楽しみでしかたがない。ここからどうやって生き残ってNFLをめざしていくかというところが僕の中で1番の課題」と話し、来月からアメリカのNCAA1部に挑戦することを発表しました。

体重133キロの花田選手のポジションは、守備の最前線、ディフェンスラインです。持ち味の力強い突進を生かして、ボールを持った相手を食い止めるのが役割です。

実は花田選手は、1年前まで全く別の競技、相撲に専念していました。

3年前の全日本選手権では大学1年生として36年ぶりに優勝し、大相撲の世界で横綱を目指せる逸材と期待されていました。

その横綱という目標を上回ったのが、子どものころから大好きだったNFLへのあこがれでした。

(花田秀虎選手)
「横綱になりたいという気持ちだったが、もっと世界に出て、NFLというアメリカで一番人気のスポーツのトップのリーグで活躍するっていう気持ちが僕の中で大きかった」

前例のない挑戦 経験なしでトライアウト

去年3月、花田選手は前例のない挑戦を始めました。

アメフトの経験がまったく無いにもかかわらず、Xリーグのトライアウトを受けて関係者に直接アピールしたのです。

1対1の練習では、相撲の立ち合いを生かして、相手を圧倒するパフォーマンスをみせました。

そのすごさがアメフト界で話題になり、強豪・富士通の練習に参加する機会を得たのです。重心のかけ方やタックルの姿勢など、相撲とは違うアメフトの基本をいちから学びました。

さらに、かつてNFLに挑戦した河口正史さんのもとに毎週のように通い、筋力トレーニングに励みました。

河口さんは「想像をはるかに超えるスピードで課題をこなしていくので、どこまでいくのか楽しみでしかないです」と花田選手の成長ぶりに驚いた様子で話していました。

NFLに大きく前進

そして、アメフトを始めて1年、花田選手がNFLに大きく前進します。

カナダのプロリーグのテストに呼ばれると、20回以上行われた1対1ですべて勝利し、その映像がSNSで広まると、多くのNFL選手を輩出してきたアメリカのNCAA1部など複数の大学からオファーが届いたのです。

来月、コロラド州立大学に編入する花田選手は、日本選手初のNFLプレーヤーに挑む夏が始まります。

花田選手は「ワクワクして不安は全くありません。自分が選んだ道はまちがってないと思うし、成長していく自分を楽しんでいけたらと思います」とみずからの挑戦に期待を膨らませていました。

花田選手は、大学で活躍しNFLのドラフト会議で指名されることを目指します。