将棋 藤井聡太七冠「棋聖戦」4連覇 今年度2つ目のタイトル防衛

将棋の八大タイトルの1つ「棋聖戦」五番勝負の第4局が新潟市で行われ、タイトルを持つ藤井聡太七冠(20)が、挑戦者の佐々木大地七段(28)に勝って、3勝1敗とし、「棋聖戦」4連覇で今年度2つ目のタイトル防衛に成功しました。

「棋聖戦」五番勝負は、ここまで藤井七冠が2勝1敗で、防衛まであと1勝に迫っていました。

第4局は18日、新潟市の旅館で佐々木七段の先手で始まり、中盤にかけて互いに出方をうかがう、じりじりとした展開が続きました。

その後、佐々木七段の攻めに対して、後手の藤井七冠も攻め合いに応じ、一進一退の攻防となります。

終盤にかけて佐々木七段が一時は形勢を有利にしますが、藤井七冠が相手の攻撃をしのいで逆転し、午後6時39分に佐々木七段が84手までで投了しました。

この結果、藤井七冠が3勝1敗で五番勝負を制して「棋聖戦」4連覇を果たし、保持する7つのタイトルのうち、「叡王」に続く今年度2つ目のタイトル防衛に成功しました。

一方、佐々木七段は、今回が初めてのタイトル戦挑戦でしたが、奪取はならず、並行して行われている藤井七冠との「王位戦」七番勝負で、初のタイトル獲得を目指します。

藤井七冠は、来月、保持していない唯一のタイトルとなる「王座」への挑戦をかけた対局に臨む予定で、史上初の「八冠」達成に向けて前進できるか注目されます。

藤井七冠「佐々木七段の強さを感じる場面が多くあった」

藤井聡太七冠は記者会見で「防衛できたことをとてもうれしく思っている」と喜びをあらわしたうえで「これまでの4局の内容を振り返ると押されている将棋も多く、佐々木大地七段の強さを感じる場面が多くあった。来期は『永世称号』がかかる初めてのチャンスなので、少しでも実力を高めて臨みたい」と述べました。

19日が21歳の誕生日であることから、この1年間で印象に残ったことを聞かれると「本当にいろいろなことがあったと感じるが、まずは『名人戦』の舞台に立つことができたのは自分にとってすごく大きな経験になったと思っている。広瀬章人八段や羽生善治九段といった、これまでタイトル戦では対戦がなかった方との対局もあり、学ぶことが多かった」と振り返りました。

史上初の「八冠」達成への思いを聞かれると「期待していただいているのはうれしいが、自分としてはそれほど意識していない。『王座戦』ではこれまでタイトルに挑戦する機会がつくれなかったので、そこを目指したいという気持ちはあるし、『王位戦』でも今回の『棋聖戦』の課題を踏まえながらよい将棋を指せるように頑張っていきたい」と話していました。

佐々木七段「大舞台で自分の将棋をある程度は指せた」

一方、タイトル戦初挑戦での奪取はならなかった佐々木大地七段は「先手の利を生かせるような指し手もありそうだったが、中終盤に大きく間違えたような気がする。第1局の海外対局も含めていろいろと初めて経験することが多かったが、非常に勉強になったし大舞台で自分の将棋をある程度は指せたかなと思う。今回の経験を生かせればというのは何よりも感じるし、よい将棋を指せるように精いっぱい頑張るしかない」と話していました。