北海道蘭越町の蒸気 “8月中旬にも止めたい”具体的な方法議論

北海道蘭越町の掘削現場で蒸気が噴出し、高い濃度のヒ素が検出されている問題で、道や国などが参加する連絡会議が開かれ、会社側は8月中旬にも、蒸気の噴出を止めたいという目標を示し、ヒ素の濃度を下げる具体的な方法についても議論しました。

北海道蘭越町湯里の山中にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、6月29日以降、蒸気の噴出が続いていて、国が定める飲料水の基準の2700倍にあたる高い濃度のヒ素が検出され、これまでに地元の住民など15人が体調不良を訴えています。

掘削を行っていた「三井石油開発」は、18日に、蘭越町や北海道、それに国などが参加する連絡会議を町内で開き、およそ60人が出席しました。

この中で、
▽会社側は早ければ8月中旬にも蒸気の噴出を止めたいという目標を示したほか、
▽高い濃度のヒ素が検出された水について、
現場でヒ素の濃度を下げるための方策を議論したということです。

また、会社によりますと、これまで、高い濃度のヒ素が検出された水の大半を敷地外の林に放出していましたが、17日からは過去に掘った別の井戸に移す作業を開始したということです。

現場周辺では森林の一部が茶色などに変色していることが確認されていて、会社は専門家と対応を協議しています。

三井石油開発の原田英典社長は、記者団の取材に対し「日々、事態の重みをひしひしと感じている。噴出を止めることに全力をあげるとともに、町民に寄り添った対応をしていきたい」と述べました。

そのうえで、原田社長は体調不良を訴えた人や農業への影響など、具体的な被害の補償に向けた基準を策定する考えを明らかにしました。