水泳 荒井祭里 パリ五輪内定確実に 世界選手権 女子高飛び込み

福岡市で行われている水泳の世界選手権、飛び込みの女子高飛び込み準決勝で荒井祭里選手が7位に入って19日の決勝に進み、来年のパリオリンピックの代表内定を確実にしました。荒井選手は決勝で順位が確定した時点で2大会連続のオリンピック代表に内定します。

福岡市で行われている水泳の世界選手権は大会5日目、上位12人で争う決勝に出場できればパリオリンピックの代表に内定する飛び込みの女子高飛び込みの準決勝が行われ去年の世界選手権でこの種目、6位だった荒井選手が出場しました。

予選を7位で通過した荒井選手は、3回目の演技を終えた時点で12位でしたが、4回目の演技で前向きに踏み切って後ろ向きに2回半回る「305C」を決めて、順位を1つ上げました。

そして最後の5回目には、後ろ向きに踏み切り2回半回りながら1回半ひねる技「5253B」を確実に決めて得点を伸ばし、合計得点を313.95として7位に入りました。

この結果、荒井選手は19日の決勝に進み、パリオリンピックの代表内定を確実にしました。

19日の決勝で順位が確定した時点で代表内定となり、荒井選手は、内定すれば東京大会に続いて2大会連続のオリンピック出場となります。

一方、アーティスティックスイミングでは、チームのテクニカルルーティン決勝に予選を7位で通過した日本が臨みました。

冒頭からダイナミックなジャンプ技を決めると、豊かな表現力も見せましたが、演技中盤の、水中で無呼吸で行う連続した足技が1つ認定されずに得点を伸ばせず、260.1055で4位でした。

このほか、デュエットのテクニカルルーティンで金メダルを獲得した安永真白選手と比嘉もえ選手のペアが、デュエットフリールーティンの予選に出場し11位で決勝に進みました。

また、混合デュエットテクニカルルーティンで金メダルを獲得した佐藤陽太郎選手が、男子ソロのフリールーティンの予選に出場し5位で決勝に進みました。

荒井「次こそが本当のオリンピックだと思って挑戦したい」

飛び込みの女子高飛び込みで来年のパリオリンピックの代表内定を確実にした荒井祭里選手は「この大会に向けて頑張ってきたので飛ぶことで精いっぱいだったが、うれしいという思いが一番だ。まだ実感はわいていないが、日本チームの男子選手が応援してくれていたので、ちゃんと決められてよかった」と話しました。

オリンピックへの思いを問われると「東京大会では、シンクロ種目でメダルを逃し、個人でも予選敗退に終わったので、自分としてはやりきった感じはない。次こそが本当のオリンピックだと思ってもう一回挑戦したい」と決意を新たにしていました。

19日の決勝に向けては「落ち着いて試合に出られると思うので、自分のいい演技を5回ともしっかりそろえて、観客を魅了させたい」と意気込んでいました。

吉田「勝負は甘くないということが分かった」

アーティスティックスイミング、チームのテクニカルルーティン決勝で、4位となった日本のキャプテンを務める吉田萌選手は「予選では足の角度を指摘されて足技が認定されなかったので、その修正をかなり念入りに行った。決勝でも認定されなかった足技があり悔しいが、ここにいるメンバー全員が勝負は甘くないということが分かったと思う」と悔しさをにじませました。

そのうえで、20日予選が行われるチームのフリールーティンに向けては「しっかり修正して、また気持ちも切り替えて前に進んでいきたい」と話しました。

演技後に涙 シンクロでペアを組む相方への思い

来年のパリオリンピック、水泳では第1号の代表内定を確実にした荒井祭里選手。

演技後、涙を浮かべた荒井選手、そこには安どとともに、シンクロでペアを組む相方への思いがありました。

16日の女子シンクロ高飛び込み決勝。長年ペアを組み、今シーズンからシンクロ種目に専念した板橋美波選手と出場し、5位に終わりました。

4回目までパリオリンピックの代表に内定する3位につけていながら最後の5回目の演技で板橋選手にアクシデントが生じ代表内定を逃したのです。

気持ちを切り替え、個人種目では代表内定を確実にした荒井選手。

涙の理由を報道陣から問われると「個人だけでも代表を決めたいと思っていたけど、シンクロ種目の代表権も取りたいという思いが募った」と相方・板橋選手への思いをくちにしました。

東京オリンピックではメダルを逃し、2人で雪辱を誓ってきただけに「今大会でもう一度、シンクロ種目での悔しさを味わった。絶対に2人でオリンピックに行きたいという気持ちになった」と決意を語りました。

「次のパリこそが本当のオリンピックだと思ってもう一回挑戦したい」と荒井選手。

シンクロ高飛び込みのパリ大会の出場権が獲得できるラストチャンスは、来年2月にドーハで予定される世界選手権です。

悔しさの分だけ成長できると信じて、2人の戦いが続きます。