クリミア橋損壊 プーチン大統領「報復は当然行う」

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部のクリミアとロシアをつなぐ橋が17日、損壊したことについて、ロシアのプーチン大統領はウクライナによるテロ行為だとした上で「報復は当然行う」と述べ、軍事的な報復措置をとる構えを強調しました。

クリミアとロシア南部をつなぐ橋は17日、道路の橋桁が損壊して車の通行ができなくなっていて、ロシアの治安機関などでつくる「国家反テロ委員会」は「ウクライナの2つの無人艇により攻撃が行われた。男女2人が死亡、子ども1人が巻き込まれた」と発表しています。

17日に国営テレビで放送されたオンライン会議でプーチン大統領は、「ウクライナによる新たなテロ行為だ。まったく罪のない市民が巻き込まれて亡くなった残酷な犯罪だ」と述べ、ウクライナが関与したとして非難しました。

その上で「ロシア側からの報復は当然行う。相応の案を国防省が用意している」と述べ、軍事的な報復措置をとる構えを強調しました。

また、現場を視察したフスヌリン副首相は会議の中で「橋脚には損傷がない」と報告しました。

橋を構成する道路2本のうち1本を使い、18日には片側通行で利用を再開し、ことし9月には対面通行を始めるとしています。

プーチン政権としては、クリミアを自国の領土だと誇示する象徴的な意味を持つ橋が去年10月に攻撃されて以降、再び通行できない事態となったことを受け、ウクライナを強くけん制するとともに、復旧を急ぎたい考えとみられます。